それはそれはもう笑っちゃうくらい、誉めている意見を見ない本作べーっだ!
もともと当たりハズレの激しい三池崇史監督作品ということもあり
俺は全く期待しないで観ました

観終わった後、早速後方の席からこんな声が聴こえてきました
「展開が早くて、雑ッ!ガーン」

ふーん、なるほどねえ
原作を読んでいらっしゃる方なんでしょうかね?
未読の俺でも、観ていれば
おそらく色々な部分をはしょっているんだろうなというのは、なんとなくわかります

ただ、本作の上映時間は116分
2時間を切るか切らないかの差は、観る側としても商売する劇場側としても結構大きな差です

クライマックスの2時間サスペンスっぽい愁嘆場のシーンが、意外と体感時間長めなことを考えると
このテンポと尺は作り手側としてはギリギリの選択だったような気がします

で、俺はこの作品をどう思ったかというと…

別に皆さんが言うほど悪くないじゃん
結構面白いじゃんというのが、俺の偽らざる本音です

三池監督、ヒドい時はもっと独りよがりでもっとヒドいから!…ドクロ
こう言うと誤解を招きそうですが、別に「最低よりちょっとはマシ」という諦めではありません
実際、良いところを強引に探すのではなく、自然に無理なく見つけながら鑑賞出来たので

先ずストーリーに関して

えーっ?一体この話はどこに転がっていくんだろう!?とその意外性に俺は感心しながら観ました
これについては、たぶん原作がものすごく面白いんでしょう

ネット上の不満の声をよくよく拾ってみると
事前に思い描いていたイメージじゃなかった!という意見が大半を占めている気がします
こればかりは個人の思いや好みだから仕方ないッス

前半のミステリー的な雰囲気作りは、とても良かったと思いますグッド!

地方の温泉旅館のロビー…というには狭すぎる玄関先に於けるメインの登場人物達の邂逅
フツーの田舎の蕎麦屋で、食べ物(とろろ蕎麦)を使いながら展開される推理
おそらく女優ではない、実にシロウト臭い演技の蕎麦屋や旅館のオバチャン達…

これらを見ていて俺は、市川崑監督の金田一耕助シリーズを思い出しましたひらめき電球

そして途中からどこへ行き着くのか全くわからない展開も含め
多少舌足らずな部分は否定出来ないものの
物語として必要な要素はほとんど観客側に提示していると思います

今回、この作品の製作委員会にKADOKAWAが名を連ねていますが
昔の角川映画だったら、華のある役者は広瀬すずさんと櫻井翔さんの立ち位置くらいで
玉木宏さん演じる刑事や、豊川悦司さん演じる元・映画監督の役はリーズナブルなギャラの役者さんで
2時間サスペンスに毛の生えた程度になっていた可能性は高く
もっと観客が入り込めない、地味~な出来になっていた気がします

このあらゆる意味で難しいストーリーを引っ張り、画を持たせる為にも
隅々まで、華と実力を兼ね備えた役者でなくてはならず
その意味でかなり贅沢な映画的キャスティングを実現出来た点も良かったです

櫻井翔さん演じる大江教授が機能していないという意見も散見されますが
彼は探偵役ではなく、明らかに事件に巻き込まれただけの第三者で、いわゆる巻き込まれ型のミステリー
俺は櫻井さんは好演だったと思いますし
そもそも巻き込まれ型の主人公は、カッコつけたクールな演技が出来ない分非常に難しいのです

じゃな彼はいなくても良かったのかというと、そんなことは断じてありません
もしそんなことを本気で思っていらっしゃる方は
本作に於けるテーマや重要なセリフを全て取りこぼしている、覚えていらっしゃらないだけです

彼と大学の研究室の助手(志田未来さん)との何気ない会話や、紙飛行機を飛ばすのが趣味など
言動の一つ一つが、実にストーリーやテーマにものすご~く深く関わっています

決して雑な作品でもないのです!

ただ、これらのことが分かりやすくこれ見よがしに描かれていない分
多くの方に伝わらないのも無理ないのかなあ

そんなわけで、使える度は高くつけられませんが
決して先入観を抱き過ぎず、劇中の出来事の表面だけを撫でるのではなく
櫻井翔さんの大江教授を含め、主要なキャラ達のセリフや行動を注意深く観れば
掬いとれるものは決して少なくないと思いますよニコニコ

俺は楽しみました
http://www.laplace-movie.jp
〈使える度評価 ☆☆☆〉(☆5つが最高)