
ひょんなことから主人公たち男女がひとつ屋根の下で暮らす羽目になる!というのは
『翔んだカップル』の昔から、ある種コミックの王道ではありますが
両親がパートナーチェンジして「シェアハウスで一緒に暮らそう」と提案してくるというのは
相当ぶっ飛んだ設定じゃないかなあ
そんな話をふわふわ浮わついた感じで撮らず
地に足が着いた感じで極めて誠実に撮られていることに好感が持てます
主人公たちの気持ちが動くところは大胆な長回しが多用されていて
観ながら「ああ、これ廣木隆一監督だった!」と思い出した次第
廣木監督作品は、相米慎二監督作品ほどじゃないけど
たとえコミック原作だったり、アイドルが主演だったとしても
物語にどんどんシリアスな雰囲気が絡んでくるんですよねえ
『PとJK』等もそうでしたし
その全てが成功しているか?と問われれば、必ずしもそうとは言えないかもしれないけど
俺はどんな企画でも浮わつかずに誠実に撮るという廣木節が大好きです
本作も、気持ちが通じあったと思えた光希(桜井日奈子さん)と遊(吉沢亮さん)が
何気ないことから離れることになってしまうという件は
かなりハードであり、無責任な他人から見たらともすれば相当滑稽でもあり…
そのことも含め、主人公二人だけでなく
実は二組の両親もジタバタもがきながら答えにたどり着いたんだという流れに
俺は意外にグッときてしまいました
この一見浮世離れした両親たちのキャスティングが
筒井道隆さん、檀れいさん、谷原章介さん、中山美穂さんの4人というのはかなり絶妙です
そして吉沢亮さんの表現力の高さは以前から認識していましたし、信用もしていましたが
映画初主演の桜井日奈子さんの上手さはちょっと意外でした
「SPEC」では、ただの可愛らしいだけの女の子かと思っていたら
福田雄一監督や本作の廣木隆一監督の映画でしっかりと演技が出来るところを世間に知らしめ
NHKの朝ドラ主演にまでたどり着いた有村さん
桜井さんも変なクセがなく、好感度高めの女優さんだと思うので
もしかしたら彼女も、この先NHKの朝ドラ主演!なんてことが有り得るかも
俺はとても好きです、この映画
ただ、この地に足が着いた廣木節と後半のシリアスめな展開を
テンポが良くない、失速したと解釈する方もいらっしゃるかもしれません
この映画、ママレードのように
甘~いだけじゃなく、オレンジの皮の苦味もある作品ですから

