ある日の放課後、門脇瀬名(市川美織さん)は
急に鼻血を出してしまった時に借りていたハンカチを返すため
学校の屋上で憑対弓立(りりかさん)を待っていた

つい居眠りをしてしまった瀬名が目を覚ますと、いつの間にか辺りはもう暗くなっていて
校内に閉じ込められてしまった
電波が届かず携帯電話も通じない外部からシャットアウトされた校内をさまよう瀬名の目に映ったのは
なんと手を切断されて苦しんでいる女子生徒だった

巨大な月や周囲の世界が赤く染まっていく不思議な出来事が起こる中
少女たちの史上最悪の殺し合いが始まる…

いったい少女たちに殺し合いを強いているのは誰なのか? 
殺しに追いかけて来る他の女子生徒たちから、瀬名は自ら命を守ることができるのか? 
ヒロイン・瀬名役は、5月にNMB48からの卒業が決まっている市川美織さん
市川さんといえば「フレッシュレモンになりたいの~」というイメージしかありませんでしたが
数年前から掲げていた“脱レモン”は、見事に果たしているなと思います

本作はヒジョーにアニメチックな設定と演出の美少女見本市映画
市川さんが今後どのような道に進むのかはわかりませんが、女優としての萌芽は見られます
この作品だけで彼女の演技力がどれくらいかは正直計りかねますが
フレッシュレモンでとても頑張っている姿は目に焼きついているので
個人的には今後も応援したいなと思います

元々、これは舞台作品だったとのこと
舞台の方は観ていないので、あくまで映画のみの感想ですが…
デスゲームものは俺の大好物
本作も『バト・ロワ』みたいなやつだろ?という程度の認識で観に行きました

作品のイメージは、このレビューの冒頭に張りつけた予告編とは全然違い
↓このWEB限定の予告編に極めて近く、ぶっちゃけ隠々滅々とした感じ

暗いのが悪いというわけではありませんが、テンポが良くないのが欠点ですかねえあせる
オープニングから抽象的な映像がヒジョーに多く
瀬名ちゃんもわりとイラッとさせるタイプのヒロインなので
観ていてかなり我慢を強いられる作品だと思います

例えばオープニングのイメージ映像は
個々のカットをもっと短くフラッシュバック的な要素を強めに処理して
ストーリーを進めながら少しずつ説明していく

そして、不条理な世界にぶちこまれたヒロインの話なんだから
もういきなり殺し合いの世界から映画をスタートさせるか
あるいは似たようなストーリーの清野菜名さん主演『東京無国籍少女』のように
有無を言わさぬアクションでグイグイ引っ張るか

いずれにせよ、作品の出来を引き上げる方法はいくらでもあったのではないでしょうか

おそらく出演者達にド派手な立ち回りが出来る程のスキルは無いと思われる中で
斬り合いのシーンは彼女らの動きを下手クソに見せない撮り方をしていて
ここは誉めていい点だと思いました

あっ、そうそう!ひらめき電球
出演者の中でガチで切れの良いアクションが出来る小宮有紗さんに
全くアクションをさせていないのはどういうこと!?
小宮さんは戦隊やウルトラ他で、坂本浩一監督のアクション演出を受けている方なんですから!
まさに宝の持ち腐れですガーン
監督は土田準平氏
あれ?この名前になんとなく見覚えがあるぞ…と思ったら
前に俺が2017年トホホ10に挙げた『夢の続きをもう一度』<レビューは⇒コチラ>の監督だったんですね
決して本作は、かの作品ほどガッカリ(というか激怒w)はしませんでしたけどドクロ

その時のレビューを読み返すと、この土田監督の欠点がハッキリ見えてくる気がします
批判ばかりしても全然建設的ではないので、前向き且つ現実的な提案を一つ申し上げますと
「編集は優秀な人材に全てお委せになった方が良い」ということです

おそらく舞台は好評だったのでしょう
2016年に初演、翌年には再演もされたらしいですからね

ストーリー自体は、アニメファンが好みそうなものではあります
登場キャラが憑対弓立(つついゆだち)や都解未明(つげみめい)等、有り得ない漢字表記だったり
名前をよく見ると、物語の内容やテーマがアナグラム的に組み込まれていたり…

映画ファンにわかる感じで説明しますと
『バト・ロワ』『ア』で始まるジョン・キューザック主演のサスペンスみたいなストーリー
ピンとくる方には最早これだけでネタバレなんですけどねにひひ

話は戻りますが、面白い映画になるはずの内容をイマイチな出来にしてしまった土田監督の責任は大
もし次の作品で上向きな様子が見られなければ
申し訳ないけど、俺の中で数少ない“信用しちゃいけない映画監督”に決定ですべーっだ!
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