竹洞哲也監督の最新作ピンク


暴力団・川野組の取引原場を急襲し、金を奪った男女
松田(竹本泰志さん)、菅野(世志男さん)、永野(青山はなさん)、山中(吉田俊大さん)の4人は
朝の山道を車で逃走していた

彼らは襲撃成功後、川野組でもその取引相手でもない謎のグループに襲われ
山中が銃で撃たれ負傷してしまっていた

4人は仕切り屋・田中(森羅万象さん)に集められた一団で、皆整形し、過去を隠している者ばかり
メンバーは固定されておらず、その時々で編成されるため、互いの信頼関係など微塵も無い
情報を洩らしたのは田中か?それとも4人のうちの誰かなのか?

田中と連絡がとれずに困り果てた彼らは、一時的な隠れ家を確保する為
たまたま車のそばを通りかかった女性・かずみ(辰巳ゆいさん)に銃を突きつけ脅かし
彼女が独りで管理を任されているという別荘に身を寄せるが…

タランティーノの出世作『レザボア・ドッグズ』を彷彿させるストーリー
超低予算のピンク映画ということで、細部は温かい目でご覧いただきたいところです

竹洞監督というと一部の例外を除き、人情ものやコメディのイメージが強いですが
予告編を見て「ノワールものじゃないか!」と驚くと同時に
彼はどんなフィルム・ノワールを撮るんだろう?と期待を抱いて劇場に行きました

まず第一に…

この映画、かなりクセ者ですあせる

ていうか、あらすじ以外何も書けないよぉ~ショック!
だって全てネタバレに繋がってしまうから

まあ、上記のあらすじから想像出来るようなストーリー展開ではないことだけは確かです

で、俺はどう思ったかというと
決してつまらなくはないけど、面白かった!とは言えない…
といったところでしょうか

うーん、たぶんビックリするような展開を含め
当方ボーカル氏が手がけた本作の脚本は
山内大輔監督か榊英雄監督向きだったような気がします

お二人とも個人的に俺が大好きな監督だということもありますが
バイオレンス描写やもう一つの重要な点(これはナイショ)の演出において
より得意とされている印象があるからです

バイオレンスをきっちりやることで
ラストに向かって、もう一つの重要な点も活きたかなあと…

作品全体にキレが今一つで、ボンヤリしてしまった感は否めません

まあ竹洞監督は、現時点で既に次回のピンク大賞有力候補を2本も送り出しているので
いろいろジャンルにチャレンジを試みるのも悪くないかもしれません

ただ、ノワールものにはあまり向いていらっしゃらないかなあ…と思いますガーン

(ピンク映画は、観たい!と思ってもいろいろ努力を要する可能性が高いと思われるので
「使える度」評価はつけません)

(R15版公開に際し、『柔らかい檻』に改題)