日本人の行動原理は、西郷隆盛の「至誠天に通ず、」勝海舟の「行蔵はわれに存す。」に共感し、他人はどうでもよい、自分さえしっかりしていれば、という他者批判の抑制、自制心を尊ぶ美学があり、これが、国内における仲間内の批判の横溢。他国への遠慮の過剰につながる。そして、それが通じないとなると、やがて爆発する。
最近のニュースで、日本の母子健康手帳の制度が、世界から注目されて、殊に中国などは、日本の母子健康手帳を中国でも実施したいからと、研修団が日本に来たのだ、という。
日本の公明党などは、選挙期間ともなれば、街頭で、日本国憲法があるから、日本は平和でいられたんです、と力説する。また、僕達戦後民主主義者は、殺しもせず、殺されもせず、こうして、生きてきたのは、憲法を守ってきたからだ、という人も多い。
彼ら憲法はすばらしい、この憲法で、平和に暮らせたんだ、という人は、母子健康手帳や豆腐や寿司、ジブリアニメだけではなく、憲法9条もおすすめですよ、と北朝鮮、朝鮮総連、韓国、中国に言ってみたらどうなのだろうか。
憲法は自分で決めるもの、と言われたら、それなら、せめて、教科書にのせていただけませんか、日本は憲法9条を持って、平和を維持してきました。非核三原則もそうですし。日本には、徴兵制もない、と。
おたくの憲法もそうしてはいかがかですか、それがダメなら、せめて、
そう、教科書に書いていただけませんか、と。日本はそうなんだ、と。
ところが、日本の左翼は、これができないのである。
自分のすばらしいと思ったものを、他人、他国が、教えてくれ、と言うまでは、教えない。寿司、豆腐、母子健康手帳も。
韓国も、中国も、アメリカも違う。韓国も、中国も、外交ルートを通じて、教科書を、こう書き直しなさい、と日本に指示する。アメリカは、構造協議で日本の経済制度の遅れている点を指摘する。
日本が、アメリカや韓国の労動慣行で、そんなやりかたじゃダメだ、と思っていても、まず、いいませんね。
相手が学びにくると、日本はなんでもかんでも、洗いざらい、教える。韓国人に日本人が洗いざらいなにかを教えてもらったなんてことはまずない。
韓国のインスタントラーメンは、日本の明星食品が熱心に教えたのが始まりだし、韓国のヤクルトも日本のヤクルトが教えてあげた。
現代自動車もそのスタートは、日本の自動車の技術供与がはじまりだ。
世界最大の鉄鋼企業、POSCOは、日本の新日鉄の熱心な指導によって、はじまった。
ならば、教えてやるとよい。日本国憲法を。これで、平和になれるんだよ、と。
ところが、日本の左翼というのは、心が弱いのか、「憲法を世界遺産に」とは言えても、いかにも暴走しそうな三国には、面とむかっては、言えないのだ。遠慮なのか、おとなしいのか。
中韓朝鮮は、日本は軍国主義化していると言い、ニューヨークタイムスは、日本の安倍首相は、右傾化、歴史修正主義者、だと言うのだから、民主党、公明党、社民、共産は、こぞって言えばいい。わが国の首相は、戦争をしようとしている。ところで、あなたのひとつ、いかが?日本国憲法を。
アメリカも、朝鮮も、韓国も、中国も、憲法9条、を持ってはいかがでしょう。きっと、日本みたいに、戦争しない将来が待ってますよ。それがダメなら、教科書に書いてください。
日本の国民は、憲法9条がある。だから、平和だと国民の半分は信じている、と。
そう、主張すればよい。
彼ら左翼に、統一原理か、幸福の科学のような図々しい心があれば、どんなに面白いことか。
韓国、北朝鮮に、日本が謝罪しないのなら、韓国、朝鮮さま、あなたなら、人間としての、模範を見せる事ができます、バカな日本に模範を見せてあげてください。拉致被害者に、さあ、謝罪をしてください。
中国様、日本はどうしても、謝罪しないので、文化大革命や大躍進で死んだ人びとに謝罪してみせてください。
アメリカにも、あらためて、黒人奴隷やいまも続く黒人差別に深い謝罪の決議をしてみせて、日本に見本をみせてあげてください、と。
きっと、日本は恥じるでしょう、と。なんで、辻本清美はそう言えないのか。
まあ、わたしなぞは、憲法があったから、平和に来た、殺し殺されずにきた、とは思わない。アメリカとぶつかればやっかいだから、中国、朝鮮は暴走を踏みとどまってきた、としか思わないが、彼ら、憲法があるから、平和を謳歌してきた、と主張する人びとが、一向に、中国、韓国、北朝鮮、アメリカに9条を持たせなければ世界平和はない、と主張しないのは、実に不思議なのである。