中3授業にて。宿題に関してこの時期によくする話を。

 

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ぐすん「すいません、やってません」

悲しい「部活が…ちょっと忙しくて」

てへぺろ「ら…来週までにやってきます!」

 

ふ~ん、なるほどね。ほかの先生はどうか知らないけど、宿題に関してオレのスタンスを言うぞ。

 

宿題はやらなくてもいいと思う。

 

学校の宿題は内申点に響くからやるべきだけど…、オレは中学生のときやったかな。たぶんやってない。なぜなら働いていたからね。毎日3時から新聞配達していたから9時には寝ないと。だから宿題をやった記憶は…塾のも学校のもほとんどない。

 

あ、美術の作品はやったかな。直前の30分ぐらいでババッと仕上げて出していたから超テキトー。通信簿はいつも2だったと思う。

 

じゃあなんでこんなに宿題をやらなかったくせに君たちに宿題を出すのか。

 

お母さん方から苦情が来るからだよ。(女子生徒が笑いながらウンウンうなずく)

 

この仕事を始めた25年前…最初の5年くらいは楽しかったなあ。みんなオレの授業にゲラゲラ笑って毎日がショータイムだった。テストの点数とか偏差値とか志望校とかは割とどうでもよくてね。それよりもオレが出す数学の問題にみんな頭を悩ませ、社会の授業に感動し、国語ではよく議論を交わした。宿題は出したかなあ…。あまり記憶にないなぁ…。とにかくみんな毎日塾に来るのが楽しい、それこそ劇場を見に来る感じだった。

 

しかしあるとき、生徒の母親から電話が来た。子供が家でさっぱり勉強しない。塾では宿題を出しているんですか?

いや、あの…と、まごまごしていると、まあ!宿題を出さないんですか!?それじゃあ行っても意味ないじゃないですか!と怒られて。

 

そこから毎日きちんと宿題を出すようにした。それでもまだ楽しい授業が続いていた。生徒もオレも涙が出るほど笑った。

 

しかしあるとき、またほかの母親から電話が来た。塾には楽しく通っているけど家でさっぱり勉強しない。そんなんだったらやめさせると言うと子供はイヤだと言って勉強を始める。もう怒るのは疲れた。塾では宿題を出しているんですか?

 

「ハイ…出しています…」

「チェックはしているんですか?」

 

「…チェック…ですか?」

「まあ!チェックしてないんですか!?」

 

「あ、いや…一人一人のをチェックしてたら…授業時間が削られるというか…」

「チェックしなかったら子供はやらないじゃないですか!」

 

(まあそりゃそうだけど…それは自業自得なんじゃ…)と言いたかったけど、もちろん言えずに、ハイすいませんと謝った。

 

それ以来、毎回授業の冒頭10分ぐらい使ってチェックするようになった。

つまらない時間だった。こっちはエンターテイナーだ。早く観客を笑わせ感動させたいのにただただ管理人みたいなことをさせられる。だけども仕方がない。毎回宿題のチェックをやった。

 

そんなあるとき、また別の母親から電話が来た。

 

「宿題は出しているんですか?」

「ハイ」

 

「チェックはしてるんですか?」

「ハイ」

 

「でも家でまったくやらないんですけど」

「そうですね、○○君はやってきませんね」

 

「そういうときは、呼び出しとか居残りとかしてもらえませんか?」

「(え…呼び出し…奴隷じゃんそれ…)

ハイ…分かりました」

 

こうして奴隷の監禁も自分の仕事になった。(生徒笑)


いま君たちに渡している月間課題もその一つだ。

 

「家で何をやったらいいか分からないと言ってるんですけど」

「分かりました。やるべきことのリストを月間分渡します」

 

こうして月間課題のシステムが3年前ぐらいから始まった。なのに、それをやってこないと言う。オレはどうしたらいいんだ。今は体罰禁止なんだよね(笑)。

だから思うの。宿題はオレもやんなかったし。キミらも別にいいんじゃないのと。もう破れかぶれだな。

 

 

 

でも一つ言っておくぞ。部活を引退した夏に塾に入る生徒たちがいる。

 

彼らに教材を渡しながら言う。これは、4月からいる生徒は順調ならすでに半分ぐらい終わっている。キミたちは後から来たわけだから、今後出す宿題はこれの後半だ。だから前半部分は自主的にやってくるように。え?社会が苦手?だったら月間課題とかは関係ない。バンバン進めなさい。

 

こうして、渡してまだ1か月少々なのに、、、春からいる人もまだ終わってないのに、、、全部終わらせてくる人がいる。いや~すごい。当然ながらそういう人はグングン成績を伸ばして志望校に合格する。だから君らも、「言われたところはやってあります」とかじゃなくてさ。国語が苦手なら宿題とか関係なくバンバン国語をやったらいいんだよ。無くなったらほかの問題集を渡すから。

 

オレも中2のとき、数学は目覚ましくできたけど社会が苦手でさ。そんなあるとき学校から連立方程式の宿題プリントが出た。やってませんと言ったら先生から怒られたので、恐る恐る反論した。いや先生、これはできます。しかしボクは歴史が苦手です。だから土日は家で一日中歴史の年表を作ってます。それを持ってきて先生に見せてもいいです。だからなんとかならないですか?

 

「ならない!」と怒られた。理不尽だと思った。宿題なんてなければいいのにと。

 

 

ってことでまとめると、

 

宿題はお母さん対策のために出している。(生徒笑)

 

勉強が苦手なら、友達に負けて悔しいなら、志望校に合格したいなら、

 

言われたところだけじゃなくてその先も自主的にバンバンやりなさい。

 

やってこなくてスイマセンとか言うな。部活が忙しいんだろ。オレも労働で忙しかった。やれないのは仕方がない。ならば、やれるときにガンガンやるんだ。時間があるのにやらない人は…知らない。そういう人に構ってはいられない。ではそろそろ今日のところ始めるぞー!