自習にやって来た新高1。彼のそばを通りかかるとさっそく質問が。
「先生!これ見てください!学校から渡された宿題で」
へー学校もこの時期生徒らが遊ばないように手を打ってるんだね。
「このマイナス3乗って何ですか?意味わかんなくて」
ああ、マイナス乗はこれにあるように逆数になるんだよ。
「え…なんでですか?どういうこと?」
数学でそう定義されてるんだよ。マイナス乗は逆数になると。
「え~…なんで…なんで…」
(これだ…この子は納得しないと次に進めないタイプだからなあ…。複素数とか応用量子力学になったら苦労するだろうな)
そういうものなんだ。割り切って次に進まないとこのあとの数学は手を焼くよ。入試は何点だったの?86?86か~…
「違うんですよ!100点取れたの!これ全部ケアレスミスだから!」
そこも含めて実力だからね。本当に実力がある人はミスしないから。
「はい……。あ、先生!これひどくないですか?宿題こんなにあるんですよ!」
「春休みの間に80ページも進むんですよ?!無茶苦茶じゃないですか?」
ナニ言ってんの。こんなにガバガバでユルユルのテキストを80ページなんて屁みたいなもんだろ。こんなんじゃなく、難しいのを受験後に百数十ページ進んでいる人もいるんだぞ↓
「ええっ!そんなに!」
そこから考えたらこんな薄っぺらいスッカスカの80ページなんてお遊びだよ。これ提出すんの?…ん?
「提出は求めません」「あとから自分に跳ね返ってきます」か~。さすが二高だな。そうなんだよ、勉強というのはこういうことなんだよ。この文章、割と紳士的に書いてあるけどさ…数学の教師の本音はこうだ。
「提出はいいよ別に。え?提出義務がないとウチの子はやんないから取り締まれって?はあ?ナニ言ってんの?やってこなくて落ちぶれるヤツなんて知らねえっての!バカが!提出があるから渋々でもやるだと?そんなヤツは知らん!だったら来んなよウチに。
とはいっても今のご時世、まったくの放置というわけにもいかないから、やるべき課題とその範囲は下に書いたよ。ここまで用意されてるだけでもありがたく思いなさいよ。なのに提出も義務づけろだぁ?チェックもしろだぁ?フザケンナ!だから教師の時間外労働が問題になってるんだよッ!」
本当はこう言いたいけど、クレームが来たらめんどくさいから「あとから自分に跳ね返ります」なんて牧師みたいな言い方にしているんだね。いや~…なんてオトナなんでしょう。じゃあ頑張れよ〜!