昨日の日曜日、三高のある高3生が自習にやってきました。「おお!久しぶりだね~おねがい!どうだった?海外は」

 

アメリカのボストンに2週間短期留学に行っていたその子に向こうでの様子を聞くと、英語はだいたい聞き取れて、会話もなんとか通じたとのこと(スゲー!)

 

だからなのか、戻ってきた後のテストではリスニングは学年1位でおまけに理科も1位だった模様。やるねえ!

 

「でも数学がね…あせるちょっと質問いいですか?」

 

はいはい、どれかな?

いくつかやり方を教えると、女子はなるほど〜!と納得。ここからは自分でできるね、じゃあやってみて…と言ったところで違和感が。

 

ほかの生徒でも割といますが、この生徒も罫線付きノートを使用し、真ん中に縦線を引いて紙面を2分割してやっていました。

 

↓こんな感じ

 

 

上の写真の生徒は高1だったのでスルーしましたが、高3になってもそのスタイルではいけない。

 

「ちょっといい?数学をやる上で非常に重要な話だ」

「え…なんですか?」

「そのノートなんだけどね。どうして分割するの?」

 

女子は不思議そうに手元を見つめました。「なんでって…いや、こうして使えばスペースを十分に利用できて無駄がないかなと思って。なんかもったいないじゃないですか」

 

もったいないか…なるほどね。ただ数学で点を取りたいならそれではだめだ。

 

思考にノイズが走る

 

 

「ノイズ…ですか…」

 

そう。マジメな話をするぞ。

 

あなたはその問題の解き方を考えている最中に、脳内で別のことも同時処理している。

 

それは、そのノートの残りスペースの問題だ。

 

あと残り10行ほど、しかも分割された狭いスペース。この中にこの解答が押し込めるかしら?というのを無意識に考えている。

 

罫線もそうだ。罫線付きノートだと、分数が出てきたときに、このまま1行の中に押し込めてしまおうか、長く重い分数だから2行に分けて書こうか一瞬だけ悩む。その時間は0.1秒あるかどうかかもしれないが雑音であることに変わりはない。

 

英語とかほかの科目ならそのノートやその使用方法で構わない。ほかではそんなに深い思考を必要としないからね。

 

でも数学は思考の学問だから。

 

深く思考するときは、脳内が今日のような澄み切った青空になってないといけない。1滴の淀みもないクリアな頭じゃないと思いつくものも思いつかないんだよ。

 

 

将棋の加藤一二三は名人戦で旅館の庭の滝を止めさせたらしいけど、オレはただの笑い話とは思えない。0.1秒でも、1ミリでも何かに邪魔されると思考は鈍るからね。

 

だから音楽を聴きながらやるとかもダメだね。ほかの科目ならいいけど、数学でそれをやったら自由に羽ばたけない。思考の空に飛んでいけない。

 

「そっか~。先生、前も言ってましたもんね。大学受験のときコピー用紙にやってたって」

 

そうそう。コピー用紙が一番いい。罫線がないし、安くて分量あるし。

 

オレもその問題集と似たものを使ってたけど、1問を1枚にやるというマイルールがあった。たとえまだ書ける余地があっても2問目は次の紙に。そうやって自由度を高くしないとひらめかないからね。

 

「わかりましたニコニコ今度からそうします!」

 

よし、がんばってな!

 

 

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(おまけ)

 

女子に志望校を聞くと、東北大か筑波大に行きたいのだとか。

 

「へ~そのあとのことは?何になりたいというのはある?」

「え…まだないですニコニコ

「まあそうだよね。それが普通だ」

 

「でも公務員がいいかな。安定してるんで」

「なるほどね~」

 

「海外がいいです。海外勤務できる公務員が理想かな」

「なぜ海外?」

 

「だって日本、怖いじゃないですか…」

「え…?海外の方が怖いんじゃない?日本は世界でもかなり治安はいいって言うよね」

 

「いや、チアンじゃなくて…」

 

「ん…?あ!今後のことか!少子化で人口減で将来どうなるかっていう方ね?」

「そ…そうですねあせる

 

はぁ……18歳でそんなこと考えてんだ……。しっかりしてるねぇニコ汗