「私、テストでxの2乗をつけ忘れて!」
中3女子が苦笑いしながら大きなため息をつきました。「今回の数学、凡ミスがなければ満点取れたのに…
」
それを耳にした私が、へ~、それは惜しかったねぇ
と慰めると、隣の生徒が女子の肩をたたきながら「それも実力よ
」と笑いました。
女子はスネて「問題用紙にはちゃんと書いてたんです!なのにさ。答案用紙に写すときにミスしちゃって」
はぁ?今なんて?
「え、だから答案用紙に写すときにミスしちゃって」
はぁ…たまに聞くけど、いるんだよなぁそういう人。考えられない。どうしてそういうことが起きるかな。そこを徹底的に考えないとだめだよ![]()
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そこで、その日の授業冒頭では、どうしてケアレスミスが起こるのか。そのメカニズムと防止法について詳しく解説していきました。
まずはケアレスミスがどこで起こるのかについて。
ケアレスミスが起きるポイントは大きく3つある。それは、
①インプット時=問題文の指示の見落とし
②処理時=計算ミス
③アウトプット時=解答欄への転記ミス
だいたいこの3つだ。
過去にある学校でずっと1位だった女子がいた。その子は女子特有のマジメさ、慎重さに加えて、数学が強かったのでトップを取れたが、そのぐらいは探せばほかにもいる。その子が3年間一回も他人に1位を譲らなかったすごさはそこじゃないとオレは思っていて。じゃあどこか。
その子はケアレスミスをしないんだ。
例えばキミらが数学で90点を取ったとする。そのマイナス10点の内訳はどうだろう。ミスしたすべてが純粋に分からなかったところかな?
違うでしょ。本当に分からなかったのは3~5点でケアレスミスが5~7点のはずだ。(生徒うなずく)
一方、その子はケアレスミスをしない。
だから今の例だと数学は97点になる。それってやっぱり強いよね。トップを取る人は頭がいいから取ったんじゃない。ミスをしないから取るんだよ。頭がいいだけだったらほかにもいるから。
で、なぜミスしないのかをオレなりに考えた。
1つ思ったのはあの子の性格だ。
その子はいつも謙虚で控えめでね。難問が出てきたとき、あなたなら解けるだろう?と授業で当てても決まって首をぶるぶる振った。オレだったら「まあそうっすね
」「解けるとしたら自分だけでしょうね…フフフフ
」とやってクラスのヒンシュクを買うところだよ。でもその子は違った。いつも臆病だった。
見直しをするときに、まあ当たっているだろうと思いながらやるのと、たぶんどこかで間違っているかも…と思いながらやるのでは精度が違う。ってことで、この臆病な性格が幸いした説が一つ。
そしてもう一つ。
その子がテストを解くときの様子を注意深く観察していたらある特徴が見えた。
それは、指示内容に印をつけながら問題文を読んでいたということだ。
例えば「適さないものを」「すべて選べ」「○○に触れながら」「40字以内で」「書き抜きなさい」「理由も述べよ」
試験中、その子はこういうものが出てきたら、その部分にササっと下線を引いたり、グルグルとマルをつけたりしていた。
テストでよくズッコケる人がやるなら分かる。でもこの子は毎回490点付近を取る女王だ。
な・の・に!
試験のたびにこういうことをしている。
まったく…とんでもないモンスターだ。
あの子ならきっと世界を股にかけるスナイパーになれるだろうよ。
(つづく)

