死ねば助かるのに

今日の夕方、公立高校入試の本倍率が発表される。

印刷して貼り出すと早速自習生たちが集まってきた。

「やった～ミナミ下がった～！」

「うわ……その分ニカ上がった…」

「一高二高三高は下がったんだ…その人たちはじゃあどこに？」

「このムカイヤマ理数の1.9倍ってナニ(笑)」

そのうち女子たちから、

「やだー…落ちたくない…」

「ああ…もうどうしよどうしよ…」

「南高、下がったと言ってもまだ1.4倍もあるんですよ？高い～～」

「先生！どうしてくれるんですか！」

ふふ…お前たちはただ怯えている。

死ねば助かるのに…。

「死ねば助かる？何言ってんですか！」

「そうですよ、死んだら終わりじゃないですか！」

「死んだら助かんないでしょ！」

「公立落ちたらお母さんに殺されます！」

落ちたくない落ちたくない、死にたくない、助かりたい、と思って勉強に手がつかない、不安や恐怖がぬぐえない……

そういう人は勉強不足や本番での緊張もあって助からない。

逆に、やれるだけやってダメならすべて運命に従う、あとは煮るなり焼くなり好きにしろいと腹がくくれている人は……

本番で緊張することはないし、直前まで勉強に打ち込めていたので、生還する可能性が高い。

死ねば助かるとはそういうことだよ