<昨日の続き>
・昨日、模試の成績表を生徒に返し、あちこちで歓喜の声が上がる中、暗いというか、おとなしくなっている人たちも。
隅の方で「私が最初にもらえば良かった」とつぶやいた女子のところに行き成績表を見ると、偏差値は前回比でマイナス1。
・私は淡々と言いました。
「プラマイゼロとかマイナス1なら現状維持だよ。いまは世間の中3、みんな必死にやっている中で現状維持は立派立派!あなたの場合、この数か月安定した成績を取っているから予想が立てやすいともいえる」
私がおだてたり優しくフォローしたりするタイプではなく、事実をありのままに伝える超理系人間だとこの女子も分かっているからか、本人もすぐに納得したようでした。
・今回、自分でも驚くぐらいの、約8割の塾生が成績を上げ、しかもその半分が過去最高。喜ばしいことではあるものの、ただ果たしてそれは本当の力なのか……。
私は事務所の椅子に座って考えました。
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― 以下、妄想タイム ―
・冬期講習の直後に受けたからではないのか。
入試までの1か月半、通常運転に戻った途端にペースが落ちて成績が下がるのではないか。しかもそれは測定できないし。(2月模試はあることはあるものの受験者が大幅に減るので受けたとしても偏差値の信憑性は低い)
・今回成績が上がった人の中には、過去最高の今の数字を自分の本当の力だと思ってそれを基準に志望校を選択する人もいるかもしれない。
秋から冬にかけて頑張ってきた!前回や今回成績が上がったのはその努力が実を結んだからだ!やればできるんだ!と。
・しかし本当にそうだろうか。
体感では、直近の成績が過去最高という人の約3割は”たまたま”だ。例えば中1中2の頃から頭のキレがよくて不勉強だった人が秋から本腰を入れて勉強し始め、知識の取りこぼしのカバーができて成績がアップした人。この場合の数字は割と信用できる。しかしそうではない子や、これまでの模試の成績グラフがジグザグしていてとても安定しているとは言えない人。この人の”過去最高”をそのまま鵜呑みにできるのか。ちょっとキケンな気がする。
・まして、成績表を目にした今は「これなら受かる!」と本人も親も意気軒昂しているところだろう。そのまま不安要素には目もくれず、ゴールに向かって突っ走る可能性大である。それで受かればハッピーエンドの大団円ではある。しかし……
・倍率が低い学校なら分かるが、高倍率の学校は一筋縄ではいかない。倍率が1.5倍を超える学校ならボーダープラス1,倍率が2倍近い学校ならプラス2ぐらいで考えないといけない。倍率というのはそのぐらい強い要素である。
・塾でも家でも頑張って成績を上げてきた生徒たち。この力が本物なのかたまたまなのか。一緒に生活しているわけではないから分からないが、家で真剣にやっているのか。それともちょっとやっては休憩してばかりなのか。もしかしたら四六時中アイドルの写真を眺めてニヤ~っとやっているのではないか。
・入試というのは頑張った人が報われ、ナマケモノに天誅が下るという勧善懲悪な話ならばスッキリするのだが必ずしもそういうものではない。毎日コツコツ頑張って成績も十分ながら残念な結果になる人もいる一方、入試前日までこたつで寝ていた人間が(落ちてほしかったのに)受かってしまったケースもある。まあこの場合、将来的には前者が成功し、後者は痛い目にあうと思うが。
・それにしても、成績が上がって、前から想いを寄せてきた志望校の背中がはっきり見えてきたときに……
親子でさあやるぞ!この数字なら!とエンジン全開になっているときに……
・自分がこんな不安な思いを巡らしてばかりというのはいかがなものだろうか。親子からすると、塾長ならしっかりと旗を振ってほしいと思うのではないか。
・いっそのこと、やればできる!行ける!気合いだ!気合いだ!気合いだ~!と頭に鉢巻をつけて胸筋をグイグイやった方がみんなのためになるではないか。でも自分には胸筋ないしなァ……
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なんて思っていると、テンネン女子が事務所にひょっこり顔を出して「先生質問です」と理科のテキストをよこしました。教え終わると女子は「先生、来週三者面談ですよね……」と神妙な顔。
「そうだね。成績表返されたからね」
「あの…面談の練習してくれません?」
なにその面談の「れんしゅう」って……
初めて聞いたわ![]()
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「なんか……何を言われるのかと思うと緊張してきて……」
何を言われるのかってナニ……、他人なら分かるけど面談オレだよ?相っ変わらずテンネンやな(笑)