5月、「中総体の練習で忙しいんで…」

6月、「中総体で…」

7月、「県大会で…」

8月、「駅伝が…」

9月、「文化祭で…」

 

生徒から、これこれが終わったら本気になるということを聞かされ続けてもう半年、気がついたら受験までももう残り半年になりました。

 

自分の学生時代を振り返ると、部活も文化祭もとても楽しいものでした。ほかの人はどうか知りませんが私的には中学・高校とも、ハッキリ言ってしまえば学校には部活をやりに通っていたようなものです。だから生徒たちがそれらを優先したい気持ちはよく分かります。

 

だから、生徒から「大会が」「練習が」「実行委員会が」と言われて授業を休まれたり宿題提出が無かったりしても私は勉強を優先しろとは言いません。それは仕方がない、じゃあそっちを優先して。自分が同じ立場でもそうするよと言ってきました。

 

でも…

志望校の合格ラインに現状自分の学力が届いていないのだとしたら…果たしてそれでいいのかなという思いもあります。スポーツ推薦で進学するならそれでいいですが、塾を何年もやってきた経験で言うとそういうケースは非常にまれ。

 

多くの人は2年半の間、定期試験時以外に特に勉強することもなく、宿題もハンパで、ずっと部活動や行事中心の生活を送ってきて、部活引退後に「今の学力で行けるところを探す」となって、昔口にしていた志望校よりも低いランクの高校・大学を選択するようになります。まあこれは仕方ないのかな…。

 

とはいえスタートが遅れては一大事。そこで先日の五橋教室中3授業では、受験を意識することによって、少しでも緊張感が生まれたくれたら…という思いで、受験の仕組みについて生徒たちに説明しました。

 

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・公立高校入試の本試験はここにも書いてある通り。来年の3月4日だ。この日の結果一発で合格か不合格かが決まる。

 

1月15日出願予備調査というのは単にみんなの希望を聞くだけだ。あとからも志望校は変えられる。ここで、大人気な学校、そうでない穴場的学校というのが判明し、それを参考に…

 

 

2月17日にどこにするか最終決定する。1か月前はあんなに倍率が高かったのに受験生が逃げて定員割れ、逆に穴場でおいしかったはずなのに人が集まってさあ大変ということがままある。そうなると一部の生徒はパニクってね…。「先生、何人落ちるんですか」「私は受かるでしょうか」「わたし…絶対落ちた…」と地に足がつかない状態になるんだ。受験でもっとも大事なのはここだな。ハートだよハート。

 

・ちなみに追試験というのは期待しないでよ。「やむを得ない事由」なんてほぼない。一発勝負。

 

・そして3月16日合格発表がある。オレもたまに見に行くけど…あれはツラいな。午後3時ジャストに掲示板の垂れ幕がバサッと上がる。その瞬間、親も子も息を飲んで自分の番号を探す。時間にして数秒。その後誰かから歓声が上がって母と子が抱き合って喜ぶ。一方、番号が無かった人は…呆然と立ち尽くす。

 

ある人は泣き、ある人は固まったまま動けない。オレはそれを後ろ木陰から半分だけ顔を出して見ているんだけどね、特に友達3人と来た場合は悲惨だ。受かった2人は「やったー!」とジャンプしてハイタッチ。しかしすぐにもう1人の異変に気が付く。瞬間、2人は悟るんだ。喜ぶのをヤメて顔を見合わせてね…。あの時の気まずさと言ったらもう…オレはそこから先は見ていられない。それがみんなにもあと半年後と迫っているんだぞ。

 

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「おいM!志望校は南だったな。よく見てみろこの数字。定員は280人で学力検査500点と調査書点195点で選抜するとある。お前の調査書点はいくつだったかな?」

 

「え~と…知りません」

 

 

「今日も文化祭のナントカで遅れてきたけどさ、何やってたのこんな時間まで」

「え~打ち合わせです」

 

「へえ。どんな?」

「え~話し合いです」

 

「おいおい…別にオレは怒ってないからね。ただ純粋にどんな話し合いでこんな時間までかかったのか興味があるだけ。で、何を話し合ったの?」

「…話し合いです」

 

辺りから笑いが漏れる。

「バカか!だからさっきから何の話し合いかって聞いてんの!」

「いろいろ」

 

「ダメだこりゃ…会話にならない…」

「……思考力・判断力を磨き…」

 

 

「ん?ああ、『求める生徒像』ね。なんだよ急に」

 

「状況の変化に柔軟に対応できる高い知性を見に付け…」

 

「お前は当てはまらないな。状況の変化を読めない凝り固まった低い知性だからな(笑)」

 

「豊かなじょう…そう?と寛容性を備え…先生、じょうそうってなんですか」

 

「(少しは言い返せよ…えー

情操?喜怒哀楽だよ。美しいものに感動したり、悔しくて泣いたり、さっきオレにバカにされて怒ったりする心ね。会話を転がすにも情操は必要で普通の人には自然と備わっているはずなんだけど…お前にはまるで無いようだな」

 

「知・徳・体のバランスの取れた……先生、徳ってなんですか」

 

「道徳だよ。人を思いやる心、協調性、責任感…って、なんで徳が分からないんだよ。とにかくお前はアレだ、会話だよ会話。まずは会話のキャッチボールをしよ。それができれば相手を思いやる心も情操も磨かれるから。ということでさっきの話。文化祭の会議でなんの話し合いしてたか言ってみて」

 

「え~、いろんな打ち合わせです照れ

「バカだなムキー