@五橋
今日の中3はまず、来週の校内テストに向けて、ケアレスミス対策のために数学の過去問を実施しました。
「終わりました」と生徒が言っても、「見直したかー!」「100取れるぞー!」と一旦受け取りを拒否して戻す。
そんな中、時間前に来てもう何度も見直しをしたS君のをマル付け。すると…96点!すごいすごい!
「いや~先週50点台だったよね!3日前は70点台になってよくやったと思ってたら今回は96?どうなってんの?数学苦手じゃなかったっけ?」
そんな感じでちょっとオーバー気味にビックリしながらほかの生徒のもマル付けしていくと、90点台のほかに100点も2人いて、みんななかなかいい感じに仕上がっているようだ。いや~素晴らしい!!!
…と、ある女子のを採点したら77点だった。先週は30点台で散々。しかし3日前はギリ70点台になった。事前に今日は80点が目標と伝えた。だからまずまずではある。
「いや、よくやったと思うよ
頑張った頑張った!」
この子は集中してやれば解ける。公式もちゃんとわかっている。しかしどうしても2の2乗や3の2乗を4や9にしない癖がある。文字とか公式、符号の方に注意が向いているのだろう、数字の足し引きとか2乗とかでサクッと間違えてしまうのだ。数字があえば今度は符号で間違てしまう。4,5問に1度の確率で。だから70点台なのだが…
(う~ん…たくさん解いているんだけどね…どうしてもすべて(数字、文字、符号)をミスなく同時に完璧にというのがうまくいかないんだよな…)
もどかしいというか、残念というか…落胆の気持ちが湧き起こるも、女子の前では笑顔を作る。「頑張った頑張った!」
大した努力をしていないなら認めない。しかしこの子はやってるからね。しかもテストは数学だけではない。社会の歴史も地理も覚えることが膨大だし、理科はイオン、英語もある。また英単語がなかなか覚えられないんだこれが…。
私はこれはもう、この子の良さだと思っている。
おっちょこちょいでテンネンでトンチンカンなところはあるけど、この子がいるだけで室内の空気は華やぐ。この子の笑顔にはみんなを笑顔にさせるパワーがある。数学なんかできるようになったら小難しい顔になって絶対この子の良さが失われるというものだ。
練習で30点台が70点台にまでなったのだ。十分頑張ったじゃないか。だからあと2日は社会とか漢字とか英単語の暗記系を頑張ろう。
ということは直接は言わないが、「よし!数学の間違い直しはしたから社会やろう!」と言った。
数分後-
一周して戻ってくると、その子はボーっとした顔で言った。「先生、数学のプリントください」
「数学?もういいよ。ほかの科目もあるから」
「いや、あたしできない…から」
言葉の最後の方が震えていた。女子はうつむき、涙をこちらに見せまいとしているのが分かった。
「分かった。じゃあやろう」
私は本棚に行ってプリントを作って戻ってきた。「これとこれと…赤でマルをつけた問題をやってみよう」
「ハイ!」
女子は勢いよく手を動かす。
一つ目は速かった。当たり。
二つ目、、、2xの2乗を、4x2乗に……
できない。2x2乗になっている。このように、プツップツッと集中力が切れる瞬間が訪れる。
「ほら」
赤ペンで指摘した。
「あっ、まただ…なんでいつもここで…」
女子が悔しそうに消しゴムで消す。その後もやはり5問に1問の割合で同じミスが現れる。
私はそのたびに黙ってペンで指し示す。
女子は「あっ」と言って消しゴムで消す。また顔を隠すように下を向いた。「なんで私はいっつも…」
「いいの!」
私は真顔になって言った。
「いいの。お前がそうやって前向きに頑張っていることが素晴らしいんだから。どんなに頭良くたって、試験前にやってない奴とかテキトーな奴はダメさ。将来使いモンになんないから。ほら、ここも直そう」

