2つ前のブログでも紹介した速読聴コーナー。

これを教室に導入したのは今から10年ほど前。

 

きっかけは大学入試センター試験の国語と英語で、私が受験した20数年前に比べて問題の文字数が大幅アップしていることに危険を感じたことが始まりです。詳しく調べた結果、文字数は10数年で2倍ほどに増加していました。

 

自慢じゃないけど私は現役のとき、現文と数学は満点、英語は95%取っていますが、今の入試を受けたら数学以外は時間内に終わる自信がまったくありません。おそらく7割ほど消化したところで時間切れになるんじゃないかと思っています。

 

ということで、この流れが続くようだと、たとえ頭が良くても処理能力、いわゆる速読の力がないと今の入試は無理じゃん!という結論に至り、我が子の教育にも必要だろうとのことで速読システムを入れたのでした。

 

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で、この日、速読聴をしている女子を観察。

 

いいぞー!本は大事だぞ!さらに速く読めたら最高だね!と目を細めていたら、やけにページをめくるスピードが速い。

 

これは…と思って画面を見ると、、、

 

 

ゲゲッ!

は…、8倍速!

 

 

やったことのない人のために言っておくと、普通の人の話す速さを1倍として、1.5倍で早口漫才、2倍でテープの早送り、3倍ともなると私は何を言ってるのか聞き取れません。理解不能。

 

なのに、8倍って?

この子はどうなってんだ?

 

半信半疑のまま後ろから様子をじっと見る。

 

これはきっとアレだ…。

私はこんなに速く読めるのよというのを周囲にアピールしたいのだ。絶対、誇張に決まっている。…と言っても誰も周囲にいないが…(私にも気づいていない)。

 

画面のページ数が97、98、99とテンポよく進む。

この子が開くページ数を見ると97、98、99とピタリ合っている。

 

いや~ウソ…。まだ信じないぞ。

 

ほどなく、女子は最後まで読み切って終了。

 

その後、画面が切り替わり、クイズのようなものが出てきました。

 

(ああ!そういえば最近、本の内容がちゃんと分かっているか、読了後にクイズが出る仕組みになったと営業マンが言っていたっけ。どれどれニヤリ?)

 

3択クイズ

1問目…正解。

2問目…正解。

3問目…正解。いや~…信じられない…。

 

 

4問目…ここでようやくハズレ。…まあね。

 

 

そして最後の5問目…正解。

いや~…ホントに?

 

 

結局5問中4問正解という結果でした。

いや~お見事!恐れ入りました。。。

 

やがてその子は席を立って、本を片付けに本棚へ。私はすぐにインタビューに向かいました。

「ねえねえキミ、何年生?」

 

女子は怪訝そうな顔で「え?2年生…」

 

できるだけ怖がらないように全エネルギーを顔面に集中させて笑顔を作った上で再度質問。

 

「さっき8倍速だったね。あのスピードで本が読めるの?」

 

コクンとなずく女児。

こちらを見る目は明らかに不審者扱い。私は、どうかできるだけタレ目になってくださいと神様に祈りながら再度質問。

 

「すごいね~。本は好きですか?」

「うん」

 

「月にどのぐらい読むの?」

「2,3冊」

「へ~!」

 

「1週間でそれ以上借りられないから」

 

「ん?1週間?じゃあ毎週2,3冊借りて読むの?」

「うん」

 

「じゃあ月に10冊ぐらいは読んでるんだね」

「う~ん……」

 

小2である。

2,3冊の平均値2.5冊、かけることの月4週でイコール10冊という計算はまだ瞬時にはできないのだろう。だからこそ怖い。このアンバランスさにゾッとする。

 

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先ほど、国語と英語の文字数増を話しましたが、2020年(今の高1)から施行される大学共通テストではとうとう数学に大きなメスが入ります。

 

今までのようにパターン化されたものではなく、資料を読んで思考させるものに変化し、文字数はなんとビックリ約3倍!になります。

 

<数Ⅰ・A>

18年度センター試験→4,500字

17年度プレテスト→12,300字

18年度プレテスト→11,800字

 

なんじゃこりゃ!

もう知~らないっと!

こんなん、頭がいいだけでは無理じゃんか!

 

…インターネットなどの情報過多時代になったからだろうか。

 

とにかく先ほどの女の子のような、情報処理能力というか、速く読んで速く内容をつかむ速読・速解能力が、これからの時代、必要不可欠なんだろうなと思います。