名取教室。
昨日は早い時間にもかかわらず自習しにくる生徒たちが大勢いました。
しかし真剣にやっている人もいれば、中にはヘラヘラしながらやる人もいます。
(ふぅ~…試験直前なのに…。
あいつらはきっと、塾で勉強してくる!と威勢よく家を出てきたんだろうが…そんなんで勉強と言えるのか?何しに来てるんだ?)
私は目を吊り上げ、扇子を手の平にパシパシ叩きつけながらゆっくり歩いて回りました。(自分はいつもこんな役回りだ…)
「さあ、集中集中!」
「6時半までは真剣にな!」
通路に響き渡るように大きな声をあげる。
瞬間、ヤバッという顔をして手元に向き合うのはもっぱら女子。あ~あ…これでまた怖いと思われちゃった…
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一方の男子たち。
私のパワーに一瞬驚いた表情を見せるも、すぐにこっちの目をじっと、奥の方までのぞき込んで観察してきます。
このボスには大人しく従った方がよいのか、それとも多少の無茶は効く相手なのかを判断しているのでしょう。
なんだか、ボスの座を狙う若手オスザルが群れのリーダーの力量を値踏みしているかのようです。
(ふふ…よしよし。
男はそうでなくてはいかん。
オレがナメていい相手かどうか。
よくその目で確かめてみるがいい。)
私は一歩も引かず、逆に相手の眼球の毛細血管一本一本、さらには奥の水晶体までにらみ倒しました。
ほどなく決着。
時間にしたら多分2秒ほど。
でもその間に男子らはおそらく、こちらの圧倒的ワールド、広大な土地、そこにそびえ建つな強靭な建造物、強大な軍事力、、、まさに「帝国」を感じたに違いない。みな一様に引きつった笑みを浮かべ、ワークに向きなおりました。
ふん…まだ威光は健在なようだ。
思うに、真田先生や遠藤にはこれが足りない。2秒ほどの一睨みで相手を平伏させる力が。
口では生徒に「うるさいよ!」と言うが、その情けなさと言ったら…
おそらく生徒は一瞬で悟るのだろうな。遠藤の脆弱な世界を。
場所は裏庭の砂場、
城はそこにちょこんと盛った土、
兵は蟻一匹、、、、、、悲しすぎる…。
そこからは早坂を連れて見回り。
いいか、オレがいない間はお前が生徒に喝を入れるのだ。
あの先生は怒らないから優しいと生徒は言う。
でもそれは違う。
本当に優しい人はその子の成長を願って正すべきは正す、怒るときは怒る人だから。
誰かが言うだろうと、見て見ぬふりだけはすんなよ。


