先日入会したばかりのある中3女子が成績表を私に見せて言いました。
「これ、前の塾でもらった先月の模試の結果です。ちょっと…今回はかなり下がって」
下がる前の数字は聞いていました。偏差値は60を超えていて、志望校は行けるならナンバースクールに行きたいということも。
「え~と…何が良くなかったのかな…?」
成績表の数字を詳しく見ていこうとした瞬間、その子は恥ずかしそうに言いました。「数学が…」
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その後の数学の授業。
乗法公式、因数分解は一通り終わったので、今日の予定は応用問題。
で、さっそく説明してやってもらうも……できない人が4人。さっきの女子もその一人です。
よく見ると応用問題だからできないというのではなく、もともとの公式の使い方から分からないようでした。
(ふ~~う……もう100問くらいやった…
テストもやった。直しも宿題もやった…
でも、これだけやってもまだできない……
はぁ~~っ……予定が遅れるけどやるしかないか…)
私はすぐさまカンタンな計算ドリルを用意して4人にやってもらいました。
すでにマスターしている人には高度な問題を。
さっきの女子の計算を見る。
ほどなく、数学が苦手な原因がだんだん分かってきました。
(・・・遅すぎる。
3と5をたして8、かけて15と出す、小2でもできる計算レベルのスピードが遅すぎる…
数学にとって「遅さ」は致命傷…。
これを上げるのは相当……)
と、ここで間違いを発見。
「ちょっと待って!前と後ろをかけて2倍。抜かしているよ
」
「前と後ろ…」
「こことここ!(赤ペンで囲む)」
「あ、そっか…」
「も~う!何回やったの
」
「あ、すいません
」
(笑ってる場合か!
それにしても…できないのは教えるとして、なんでできるやつもこんなに遅いんダ?
この子は偏差値60以上ある優秀な子。学力不足ということはない。とすると…
やっぱりアレか…性格か…)
この子はいわゆる女子あるある、大変真面目な性格で、言われたことはきちんとやるタイプです。
しかし物事を100%きっちりやろうとするには丁寧さが必要。そうするとしばしばスピードが犠牲になり、結果、数学ができなくなるのです。
ちなみに男子あるあるを言っておくと、大変不真面目な性格で、言われたこともほったらかし。
物事をテキトーに速く済ませてとっとと怠けたいからスピードはある。でもその裏で丁寧さが犠牲になり、結果として美術で低い評価をもらうことになります。世の中うまくできてんな~。
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その後もこの子のスピードは遅いままで変わりません。
5教科総合ならほかの3人よりかなり成績が良いのに、こと数学の計算に至ってはもう周りに30問以上引き離されています。
こうやって少しずつ問題演習の少なさが祟って成績が落ちていくことになるんだよな…う~ん…
(この子が数学ができるようになるには性格改善が必要だ。
だいたい話し方もマイペースだしな…。
もっと速く解こうと意識してもらわないと…)
私は嫌われるのを覚悟で声をあげました。
「さあ、数学はスピードが命だぞ!
ゆっくり解いて当たっても意味はない。
スピードが遅い人で数学の成績が良い人をオレは見たことがない。
速く速く!さあ、もっと速く!」
この子に聞こえるようにわざと「速く」を連呼する。
たとえるなら運転免許の講習かな。
ドライバーの性格診断がありますね。
「渋滞でイライラしますか?」→yes/noみたいな。
たぶん講師は我々の瞬時の判断を知りたいから、考えさせる余裕を与えないために「速く速く!みなさん遅いですよ!」を連呼するのだと思いますが…
でも、あれってそういう狙いだと分かっていても言われるとなぜか速くしなきゃって思ってペースを上げちゃうんですよね。
だから私も生徒にその効果を期待して言います。
「さあ速く速く!もっと!」
しかし、その数分後…
女子の身に予想もしなかった異変が起こることに!
(つづく)

