宇宙はひとつの生命体です。宇宙と成った一つの命…無限の叡智と無限のエネルギーを持ち、何ものでもないが、何ものにも成り得ると言う命そのものは理体であり、命そのものとしてはあり得ない命を本来の神道では『第一義的神』と捉えます。仏教ではこの『命』を『空』と言うのです。『色即是色』の『空』です。因みに『色』は『かたちあるもの』と言う意味です。

この命が因縁を通りかたちあるものと成ったのが宇宙です。因縁とは躍動すると言うことです。

『宇宙と成った神』と言うことは『霊性』を持ったと言うことです。つまり心を持った、意志を持ったと言うことです。

この宇宙と言う生命界と成った神『天之御中主神』が収縮拡大と言う躍動の神『高御産巣日神』『神産巣日神』と成り、その収縮拡大の連続から生じたエネルギーが『生命子』を発生させて霊性を持ち『宇麻志阿斯訶備比古遅神』つまり全ての生命体の根源となる神と成りました。

こうして第一義的神から、因縁の相違に因って個々の個体生命体…やがては人格体として生命が躍動し、活躍する第二義的神が生まれて行きました。

こうして宇宙が更なる収縮拡大と言う躍動の元に広がって多くの銀河系が出来て行きました。生命子がやがて銀河系を造り、我々の天の川銀河も出来たのです。この天の川と成った神が『天之常立神』です。

『常立』と言うのは『永遠常住』と言うことです。霊界の中に永遠常住の麗しの世界が有るのです。『生命の結合の法則』に従って活動する世界が霊界の更に奥に有る、これが『神界』です。常住の世界が神界なのです。

間違えてはいけない事は、『常住の世界』とは“変化の無い世界”と言う意味ではありません。“変化しながら常住”の世界と言うことです。

神様は時々刻々にその御姿と色合いが変わって行ってます。

我々人間も時々刻々と変化しているのですが、少しも変化して見えないのは変化するテンポが鈍いからですが、間違いなく一刹那一刹那毎に変化しているのです。仏教用語の一刹那とは数学的に言えば六万七千五百分の一秒のことです。

人間の身体は概ね七年間で全部入れ替わっているのですが、それでも同じ様な姿、格好をしていますよね。

では、何が伝わっているかと言うと、それは『業(ごう)』です。前に蒔いたものが生えて、そこでまた蒔いたものが次に生える…これが業です。

本来、業と言うのは意志的行為と言う言葉ですが、この『業』が一刹那一刹那毎に『不連続の連続』をしているのです。

去年の米の体と今年の米の体は違っているのに米と言う性能には変化はありません。あなたの前世が何方であっても、実はあなたの業は前世のあなたの業と変わりは無いのです。

前世のあなたと今生のあなたの身体は変わっていても、運命と言うかその宿業だけは変わっていないのです。

生命子から霊子が生まれて、その霊子が時間・空間の物質界へと入って行き、原子と成り分子となりやがて其処に物質を生じて来たのです。生命子がやがて銀河系宇宙となり太陽系宇宙と成ったと言うのはこの事です。

変化しながら連続する、つまり不連続の連続をする生命子は永遠の世界に繋がって行くと言う訳です。その永遠の世界から霊界を生じ、やがては銀河系宇宙、太陽系宇宙が生じて来たのです。

『この二柱の神もまた、獨神と成りまして、身を隠したまひき。上(かみ)の件(くだり)の五柱の神は別天(ことあま)つ神。』

こうして出来た五柱の神…天之御中主神・高御産巣日神・神産巣日神・宇麻志阿斯訶備比古遅神・天之常立神…までを『別天津神』と言うのです。