打球前後の手先の動き(面の向き、右腕の動き)にばかり気を取られてしまうコーチが多いです。
プロ選手の面の向きや右腕の動きをスローで見て、それをそのまま生徒に教えても伝わりません。
右腕の動きに対して、身体(右腕以外)をどう動かせばいいのか。
身体をどう動かせば、右腕の動きになってしまうのか。
ということを考える必要があります。
「身体の変化は全体で一つ」という見方が大事。
身体の各部位の重さが釣り合っているのかを考える癖があれば、手先の動きに気を取られることはないでしょう。
ほとんどの場合、手先の動きは、シンプルでわかりやすいです。生徒は頭ではわかります。でも、実際にやってみるとなかなかできません。
こんなパターンは、テニスを教えていれば嫌というほどあったはずです。
右腕の動きがわかっているのに、どうしてできないのか?
「生徒が下手だから」と決めつけてはダメですよ。
それから、「(生徒は)頭ではわかっているから、そのまま練習していれば上手くなる」なんて呑気なことを言わないでね。
右腕の動きができない原因は必ずあります。右腕以外に。
これを教えるのが「アドバイス」です。
これを教えて、身体全体のバランスを整えるのが「矯正」です。
プロコーチは、これをやることでレッスン代を頂くのです。
良い動きは、ネットの動画でわかります。しかも無料。トッププロの動画を見ればいいです。
これから生徒の目はだんだん厳しくなっていくでしょう。
生徒にとって、良い動きを説明するだけのコーチなど必要ない。
生徒にとって必要なのは、「良い動きはこれです。これをするためには、あなたはこうしなくてはならない」と言って、その人に合った矯正法を考えてくれる人(コーチ)です。
「ああ~、その動きね。ネットで見たから知ってるよ。それをするには、どうやればいいの?もちろん、レッスンだから(お金払っているから)教えてくれるよね?」って。
コーチは、準備が必要です。
その準備とは、「理想の動きを説明する方法」だけでなく、「理想の動きをさせる方法(矯正法)」です。
理想の動きの説明だけして、矯正をしないコーチはダメです。
私の場合、
動きの矯正をするために、動きの説明をします。
(生徒の)動きの分析を、一番はじめにやるからです。
動きを分析し、矯正法がイメージできた後に、どう動きを説明しようか(どこまで動きを説明しようか)と考えます。