サーブからの移動 | 窪田テニス教室

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皆さんの技術向上のキッカケぐらいになればと思います。
内容は指導者向けかもしれません。
はじめての方はテーマ欄の「注意事項」をすべて読んでください。


以下、質問コメントです。


1. サービスダッシュの動き出し
 あまりダブルスをやらないせいもありますが、サーブダッシュが上手くいかないことが多いです。前に移動するだけで腿の前側の筋力を使い果たしてしまうことがあります。筋力を使わずに前に移動できる時も有るのですが、、、

 数日前、サーブの素振りをしながら気が付いたのですが(左足の着地位置は身体の下に潜り込み、踵着地、つっかえ棒のように使う)でよろしいでしょうか?正しい動き出しがあれば教えて頂けるとありがたいです。

 今までは前に早く移動しようとして、左足を出来るだけネット方向に着地していました。つま先着地です。
小梅 2014-07-11 23:44:19


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サーブ後、ネット方向に移動する場合、

猫背にならないように上体をネット方向に傾けて、畳んだ左足を着地させる。

トスをネットよりに上げ、身体はネット側に流れてしまうが、左足の踏み出しは小さいほうが良い。

目安は、どんなに大きく踏み出しても、ベースラインから半歩ほどネットよりまでにする。まずは、それ以上ネット側に着地しないように。

左足が、身体(身体の重心)の下よりも、ほんの少しコートに対して後方に着地するように。

この「ほんの少し後方」が大切。これで左足のどの筋肉を使うかが決まる。

後方にやり過ぎると前にぶっ倒れるし、身体の重心の真下だと安定(「移動しにくい」という意味の安定)する。身体の重心よりも前だとブレーキがかかる。

左足の踵重心ができる着地が理想。左爪先で着地しても、爪先で地面を蹴らなければ良い。

左足が着地したとき、左足の筋力をネット方向に向かって使わずに、「右足がネット方向に出ずにはいられない」「右足をネット方向に出すと楽になる」という姿勢を作れるかどうかが大事。

注意)左足の筋力は使います。着地した身体を左尻が受け止めるからね。「受け止めた動き=ネット方向に移動できる動き」にするということ。


左足が着地した瞬間、右足の膝下はコートに対して後方に上がる。右太腿までは上げないように。右太腿は地面に垂直を目安に。(これは、身体の傾き具合も説明しています)

左足着地後、右足をネット側に出すまでは、身体を立ち上げない。

左足着地で、身体は前傾になって低い姿勢になっています。この姿勢をキープしたまま右足を出してください。これは猫背だとできません。

右足はどれぐらい出すのか?

この右足は、前傾になった身体(腹)の下になるように。狭いスタンスで一気に加速します。

右足を、それ以上ネット方向に出すのはダメ。「右足を大きく踏み出す=左爪先で地面を蹴る」と、逆にブレーキがかかる(身体は立ち上がる)ので注意。

サービスダッシュ(サーブして全力疾走)ではなく、サービスフォールフォワード(サーブして前に倒れる)。

この倒れたときの勢いで、サービスライン手前まで素早く移動できるでしょう。

サービスライン手前まで行ったら、コントロール。「立ち上がって=減速して」、ボールとのタイミングを合わせる準備(落ちて動くための準備)をします。

これで、強い筋力を使わずに、いきなり最速での移動になり、減速した頃(足を合わせる余裕があるとき)に打球に入れる。

(ちなみに、下手な人は、サービスラインまでダッシュして、足はガチャガチャになってしまい、ボールに合わせることなどできません。)


この事から考えると、

サーブ後、ベースラインに留まる場合(ストロークの打ち合いをする場合)、
左足は、ネット側に大きめに踏み出す。「大きめ」といっても軽く一歩ほどです。

「左足が身体の重心よりもネット側に出る=身体はコートに対して後方に流れやすい」

打球方向に動きそうになった身体を、左足でブロックします(爪先で蹴る。左ふくらはぎと左太腿の前側に筋力を使う)。

踏み出した左足のすぐ右側に、右足を寄せ、右爪先で身体を後ろに押し、ベースライン側にワンステップ戻ります。(このときも右足で地面を押すまでは身体を上げない)

この戻ったワンステップの着地を、次の「動きのキッカケ」に結びます。(「動きのキッカケ」がわからない人はブログ内検索してください)

特にセカンドサーブを打った後は、強いリターンが打たれても良いように、このステップを使うと良いです。

セカンドサーブからの展開が下手な人に、左足を踏み出した位置で「動きのキッカケ」をやる人がいます。相手のリターンが深くなるとやりにくいですね。


レッスンで、上記したフットワークだけを教えて、上手くなる人は少ないです。

なぜなら、着地時、この姿勢にするには、上に向かっての鋭いスイングが必要だからです。

少し厚めのグリップで、振り下ろすようなスイングの人はできません。

・「振り下ろしながら打つ=低い打点=打った後に姿勢を整える時間がない」

下に向かった右腕の筋力、それからラケットと右腕の重さは、その場で左足を踏ん張らせるでしょう。出遅れる上に、足の筋力が必要になる。


・「振り上がった瞬間に打つ=高い打点=打った後に姿勢を整える時間がある」

身体が落ちているときに、身体を次の目的に向かって動かす。「落ちているとき=余計な筋力は要らない」し、時間もかからない。

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チェックポイントはザックリ3つです。

「スイングは正しいか」「着地したとき猫背でないか(左尻はプリッと)」「左足が着地した場所は正しいか」

参考までに。