湾岸戦争のとき、ヨーロッパに行く人が少なく
JALとイベリアの共同便だった。乗客は数える程だったように
覚えている。なぜか行き先はスペインだった。
ヘッドフォンからはギルモアのディストーションサウンドが響き
ジャニスのしゃがれ声をうねらせディランで一息ついた。
最大級にモチベーションをアップさせた。
小さなワインを6本程飲んだ時
JALの森さんというスチュワーデスさんが
怪しい奴が一人でグデングデンになっているのを
見兼ねたか何回もオーダーをかけられるのが面倒になったか
「私の気持ちです。」と持って来てくれた大盛りのバーボンのロック。
勘違いした僕は妙に嬉しくなり
彼女に自分の夢まで語ってしまった。
今思えばただの酔っ払いの相手だったのだろうが、
なんか惚れてしまった気分になってしまった。
言い忘れたがその時の目的はメイクアップアーティストで
ヨーロッパで活躍することだった。
僕自身は特別なことをしているような
ただの思い上がりが分からなかった。
ネズミの思い上がり。