ある巨匠の言葉 | じつはぼくのくぼはつじ

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老いを認める日々のブログ

    ある芸術方面の巨匠が「(この世から)消滅することに喜びさえ感じます。生きているだけで、皆疲れているのです」とインタビューに答えたという。それを聞いた十九才の青年は、いたく感銘を覚えたという。思うに、そのインタビュー記事を目にした時、青年は生きていることに相当疲れていたのだと思う。そうでなければ、八十一才で亡くなる一年前に発した巨匠の言葉に、心揺さぶられることなど無い筈である。

    逆説的ではあるけれど、この言葉を聞いて十九の青年は救われたに違いない。