囚われ人 | じつはぼくのくぼはつじ

じつはぼくのくぼはつじ

老いを認める日々のブログ

    子守唄がわりにクラシック音楽を聴いて育った。同時に戦歌も歌謡曲もロカビリーも聴いて育った。長じてはロックもフォークも聴いた。そんな中、ジャズだけは遠い存在だった。聴く機会がなかった。初めて聴いたジャズはナットキングコールのアルバムだった。小学校高学年の頃だった。「ルート66」以外は退屈に聞こえた。怪しい雰囲気(大人びた、子供が接してはいけない世界のような)を感じとって、あるいは敬遠したのかも知れない。以後ジャズを遠ざけた。高校生の頃、友人に誘われるままジャズ喫茶に行った。「ダンモ」と呼ばれる種類のジャズだった。そこでジャズ嫌いが確定した。客が全て病人に見えた。頭を抱え込み難しい顔で黙り込む姿に、バッハを聴いて頭を抱え込む人々とは違う後向きな精神を感じた。

    以来「ジャズ」と聞くだけで、どうにも耳だけで聴くことが出来ないでいる。