どんどや | じつはぼくのくぼはつじ

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老いを認める日々のブログ

 昨日、犬と散歩していたら、町内がなんとなく慌しく感じられた。


 散歩コース上の小学校の裏門まで来て、その慌しさが“どんどや”の準備のためのものだと気づいた。


 本来は一月十五日の旧正月に行われる“どんど焼き”が、明日行われるのだ。


 どんどやは正月の飾り物注連縄や門松を、この地域では櫓に組んだ孟宗竹とともに燃やし、その火で焼いた餅を食べることで一年間の無病息災を願うという神祭事だ。


 その祭事のための孟宗竹を、地区住民有志並びに小学校P,T,A有志の面々が、学校から200メーター程離れた所にある竹林から切り出し、会場となる敷地内に運び込むという作業が行われていたのだった。


 日頃は閑静に過ぎるような町内が、なんとはない慌しさに包まれている理由を知ったわたしは、あわてて帽子の庇を目深に下げると、ネックウォーマーを口元まで上げて顔を見えないようにした。


 どうもね、苦手なんだよね~、町内の集まりとか行事参加が、、、。


 ああ、それなのに!そんなこと、とうに承知の筈の自治会長のNさんときたら、わたしが犬と散歩していると何処からともなく現われて、やれ「町内大運動会に出ませんか」とか、「○○さんの講演会、終わってからの食事会だけでも来なさい」とか誘いをかけて来る。


「ああ、ま~、モゴモゴ、、、仕事がモゴモゴ、ムニャムニャ、腰も痛いし、足も痛いしゴニョゴニョ」


 そのたんび、わたしは何故か理不尽な罪悪感を抱きながら、自治会長の誘いを断り続けていたのだ。


 その自治会長の匂いが、小学校の裏門から忙しげに孟宗竹を担ぎ入れる人々の中から立ち昇っている。


「ヤバイ」


 そう直感した。


「一刻の猶予もならない、この場を早く立ち去らねばならない」


 あれこれ理由を付けて自治会長の誘いを断り続ける自分が、犬との散歩に打ち興じている姿を見せるわけにはいかない。


 わたしは道端の匂いを嗅ぐ愛犬を引っ立て、すれ違いざま「こんにちわ~」と、明るく挨拶を送る町内有志並びにP,T,A有志とおぼしき人達に頭を下げながら、竹林へと通じる道とは反対の方向に歩み去った。


 竹を担いで汗を流す人々の、晴れ晴れしいような清清しいような表情から逃れて、


「やで(やれ)、ひと安心」とおもったわたしは、一息つくと「待て待て、しかし」と、考えを改めた。


 今度の“どんどや”準備に、別段、自治会長から誘いを受けてはいないことを思い出したのだった。


「誘われてもいない竹の担ぎ出しに参加していないからといって、何をビクついておるのだ、馬鹿者ッ!」


 わたしは気の小さい自分をどやしつける代わりに、犬のリード(散歩紐)をツンと引き「バカたれが」と、愛犬に向かって小さく言った。


 もちろん愛犬は、チラリとわたしを見上げたものの「とっちゃん、何?怒ってるだ」とばかりに、人を喰ったような表情を浮かべていたのだが、、、。


 さて、閑話休題。


 散歩に限らず、人は家を出たからには出た家に戻らなければならない。これ、常識!


 広い世の中には、家を朝出たきり戻らずホームレス暮らしを続ける人もいるけれど、まあ、普通は出た家に戻る。


 わたしなんかも、どちらかと言えば放浪癖の気味があるのだけど、この頃はちゃんと出た家に帰っている。(笑)


 で、散歩に出たわたしと犬は、当然のことながらある地点まで行くと帰りの途についたわけだけど、ここにひとつの問題が持ち上がった。


 その問題が何か?については、明日書くことにする。


 風邪ひいちまって熱の出ているわたしは、ダウン寸前なんだよね~!


 うんじゃ、またね!