気になる未成道 東京補助216号線(その4) | kubodiのちっとも新鮮でないネタ

気になる未成道 東京補助216号線(その4)

2021年11月訪問
 
東京補助216号線は世田谷区と杉並区を南北に結ぶ都市計画道路のひとつです。
「その1」「その2」「その3」も併せてご覧いただければと思います。
 
 
榎交差点から南方を望む。
なんとなく左にカーブしながら延長するようにも見えますが、実際には交差点の右奥にあるセブンイレブンの建物の方向に延びていく計画のようです。
 
 

少し進むと敷石で彩られた道が奥に延びています。

この道を拡幅するようですが、現状では行き止まりになっており通り抜けることも叶いません。
 
 
 
 
 
補助216号線は世田谷区に広がる全国有数の高級住宅街を南北に貫通するように計画されています。
周辺には道幅の広い幹線道路も少なく、静かな住環境が確保されているのでしょうか。
あるいは幹線道路の渋滞に業を煮やしたドライバーが抜け道としてこのような狭い道を通り抜けることに悩まされているのでしょうか。
 
 
 
 
成城学園前駅と祖師ヶ谷大蔵駅の間で小田急線と交差します。
交差部分は橋脚の幅が広げられています。ここでは西側に拡幅する計画のようです。
 
 
小田急線と交差するあたりでは補助216号線の予定地と道路が重なっていましたが、この地点で分かれていきます。
現状の道路は左にカーブしなおかつ道幅が狭くなりますが、補助216号線はこの辺りでやや右にカーブするようです。
 
 
この辺りではどうも道路予定地の上で住宅の新築工事が行われているようでした。
当面は補助216号線の整備はないということなのでしょうか。あるいはもう道路整備を断念してしまったのでしょうか。
 
 
東宝スタジオの敷地を縦断するように補助216号線は計画されています。
広大な敷地ですが、どうも道路予定地上に建物が建っているようです。
 
 
 
東宝スタジオを抜けると、補助216号線はおそらく100mにも満たない区間ではありますが、仙川の真上を通るようです。
川は暗渠化され、遊歩道となっている河川敷も大きく姿を変えてしまうことでしょう。

 
 
 
再び団地が現れました。大蔵住宅と名付けられているようです。
都市計画図を見ると、団地のもっとも西側に位置する24号棟の一部に道路用地が重なっているようです。
 
 
 
 
 
 
大蔵住宅を南北に分断している世田谷通りから南に650mが事業化されています。
用地買収はほぼ終わっているようで、工事もだいぶ進んでいます。
驚くことにわずか650mのあいだに3回も仙川を橋で渡ります。
仙川も蛇行していますが、補助216号もそれに絡みつくように蛇行しています。まるで木などにつるが絡まり成長するアサガオのようです。
 
 
 
東名高速道路と交差しますが、その南側では150mほどではありますが完成している区間があります。
 
 
 
 
ゴルフ練習場に突き当たって行き止まりとなりますが、補助216号線の西側にある公園に、どうしてこの部分だけが先行して完成しているのかを突き止める手掛かりがあります。
記念碑によると、昭和58年から平成5年にかけて約2.2ヘクタールの広さにわたり打越(おっこし)土地区画整理事業が行われたそうです。このときに補助216号線も整備されたようです。

個人名が刻まれている部分は黒く塗りつぶしています。区画整理は官民が協力しないと成しえない事業です。

 
 
 
 
 
 
ゴルフ練習場から南側でも事業化され用地買収が進んでいるようです。
事業区間の南端には仙川が流れていますが、ここが最後の交差地点となります。
 
 
 
 
仙川の南側は一直線の道路が出来上がっています。
鎌田区民センター入口交差点が補助216号線の南端となります。
補助216号線が世田谷通りまで開通し交通量が増えれば、交差点の形状が変更され多摩堤通り南側と補助216号線を結ぶルートが直進になるルートに改められるかもしれません。
 
 
〇当面は様子見か?
 
2022年現在、東京補助216号線は千歳烏山駅付近と東名高速付近が事業化され、神田川から旧甲州街道にかけての区間が優先整備路線に指定されていますが、ほかの区間は開通がいつのことになるのか全く見通しが立っていないと思われます。
とくに、高級住宅街を貫通する榎交差点から世田谷通りにかけての区間は距離も長く、完成までにはかなり時間も費用もかかりそうです。
 
すぐ西側を走る補助217号線とともに、杉並区と世田谷区を南北に結びなおかつ環状8号線の外側を補完する役割を持つ道路ですが、もう少し外側では東京外かく環状道路の建設が進んでいます。地下40m以上という大変深い場所でシールドマシンを使いトンネルを掘削していますが、2020年になって調布市で地盤陥没が発生します。
住民の訴えで裁判が行われ2022年2月に東名高速と中央高速を結ぶ区間で工事の差し止めが命じられました。まさに補助216号線、217号線のすぐ西側の区間でプロジェクトが暗礁に乗り上げてしまうことになりました。
 
すぐ近くで気になる動きがあるものの、高速道路を歩道も備えた幅16mの道路で代替するのは当然無理があるので、当面は補助216号線、217号線の未着手区間は動きがないと思われます。
 

よろしければ他のネタもご覧ください。(サイトマップへ)