ご先祖様の供養の仕方、方法を説明する前に、供養以前の問題として仏様のことを、つまり霊についてどのようにお考えになっているか、そのことがどれほど大切かをお話ししたいと思います。
霊の存在をまったく信じない人であっても、家族が亡くなると、お通夜、お葬式、さらに四十九日と、一応のまつりごとは全部なさるでしょう。
そして回忌についてもそれなりにやるでしょう。お彼岸、お盆などもなさるでしょう。
霊の存在を完全に否定している人も、決められた伝統的務めとして、宗教的儀式は行なっている筈です。
しかし、儀式を行なうということと、霊の存在を信じるのとは違うのです。
結論を先にいうと、霊の存在を信じ、霊が決して不成仏霊になることなく無事に成仏するように祈り、霊とのコンタクトをとりながら、霊と共に生きる姿勢をもたなければ、実質的な供養にはならないのです。
心から霊の存在を信じる、それが供養のベースになります。
したがって、流れ行事のようにまつりごとをこなしたからといって、それは形式的供養をしているだけで、本当の意味での供養ではないことを、何よりもまずご理解いただきたいのです。
仏様が喜ぶこと。
それは、いつも仏様を思い出してくれることなのです。そして仏様に声をかけてあげることです。仏様に肉体はありませんが、霊体とでもいえる身体があって、いつもあなたのお部屋にお邪魔しているかも知れないのです。
(続く)