健診は「公共事業」(1) | ふしぎのメダイ

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 とかく官僚にとって、自分が管轄する業界(縄張り)の繁栄がー大関心事です。厚労省にとっての縄張りは、病院や人間ドッグなどの医療機関、製薬会社、医療機器メーカーなどからなりますが、厚労省が業界を盛り立てようとしても国の財政事業が厳しく、財務省からは経費削減をうるさく云はれます。
 そこでなすのが面従腹背。医療費を抑制するような政策を立てる一方、職場検診やガン検診を推進すれば、受診者が増え、自然と病人が増加し、医療費増大と業界繁栄につながるわけです。肺ガン検診を推進したのも、結核の激減によって結核予防会などの検診事業が衰退の危機にさらされている時期でした。胸部エックス線撮影の目的を肺ガン検診にすげかえることにより、検査業界の存続をはかったのです。
 つまり職場検診やガン検診を推進するのは、土木工事などと同じく、「公共事業」なのです。税金から資金を補助し、産業を保護・育成するわけです。ただし、土木公共事業の弊害は、ムダな道路やダムをつくることによる自然の破壊であるのに対し、医療公共事業は人々の健康を損ない、寿命を縮める点が異なります。

   (続く)