某大学病院での話です。
腎臓と膀胱をつないでいる、尿の通り道である「尿管」に癌ができた80歳の女性は、担当医である女性の内科医が提案する全摘手術を断った。すると、患者さんが差し出した、これまでの記録を「こんな汚ないファイルは見たくない」と手で振り払い、ファイルが床に落ちたと、語りながら涙ぐんでいました。尿道の癌は仮りにそこがつまって腎臓が使えなくなっても、腎臓は2つあるので、死ぬことはない。けれども手術を受けて、もし転移がひそんでいたら、癌が暴れだして早死にしてしまいます。
だから客観的にみると、医師が全摘をすすめるということは
「手術で早死にする可能性は大いにあるけど、是非、受けてね」
と言っているようなものです。
その80歳の方は、同じ某大学病院の男性医師からも
「あんたいつ死ぬの? どこで死ぬの?」
と言われたそうです。
患者さんが可哀想で、聞いてるこっちも涙が出てきました。こうした物言いは、枚挙にいとまがありませんが、きわめつけはこれでしょう。
卵巣癌と子宮癌の両方ができた患者さんは、婦人科癌の手術医から
Г死ぬしかない。手術ができない。死に場所を考えろ」
と言われたと、男性かと思いきや」女性の医師です。病院は、日本で最高峰と目されている某大学病院である。
(続く)