her /世界でひとつの彼女 | Every Little Step (新)

Every Little Step (新)

りおうさんの更なる進化を求めて。

her/世界でひとつの彼女 (原題:HER)
2013年アメリカ 日本公開2014年6月
監督スパイク・ジョーンズ
ホアキン・フェニックス/エイミー・アダムス/ルーニー・マーラ
スカーレット・ヨハンソン/オリヴィア・ワイルド

画像
Photo courtesy of Warner Bros. Pictures/Photo by Merrick Morton


【雑感その1】
なかなかの良作。
ジャンルとしては一応SF恋愛映画になります。
ですが全体的にセンスにあふれた作品でした。
敢えて使用されているであろうカラフルな色彩。
しっかり作られた脚本。
ベストなキャスティング。
とスパイク・ジョーンズ渾身の1本という気がします。
全体の印象としては軽快な感じはしました。とpにかくおしゃれ。
邦画では到底無理な映像でした。
飽きることもなく見れましたが
もうちょっとだけ尺が短くてもよかったかな。

見終わったとはなぜか心に切ない風が吹く。
しめつけられるような。
ギュッとしめつけられる。
映画自体のセンスも加わって憧れとそして酔いしれが同時にくる。
この感覚はなんだろうね、どこかちょっとノスタルジックになるわし。


【適当なあらすじ】
近未来のL.A。 代筆ライターの仕事をしているセオドアは
妻・キャサリンと別れ孤独な日々を送っていた。
ある日AIを持つOS・サマンサと出会い
彼女のその魅力的な声のとりことなってゆく。


【キャスト】
キャストが素晴らしい。
主人公・セオドアを演じるのはホアキン・フェニックス。
以前もどこかで書きましたが故リヴァー・フェニックスの実弟。
最近では賞レースの常連のイメージがありますが
日本ではあんまり知名度は高くないかも…?
このセオドアの来てる服がたいていいつも赤!
こういうのも意図的なんだろうけど
男性がぼほシャツをズボンにinしてるのが気になった。
そうか近未来はinが主流なのか…。
ホアキン・フェニックスの出演している作品をみたことは
なかったのですがいい役者さんですね!
孤独で不器用なセオドアという人物が身近に感じられました。
ただホアキン・フェニックス本人はめんどくさそうな人っぽいけどね。
序盤でチャHをしてるときに相手の女が
ねこの死体で首を絞めて!とか言い出した時の
セオドアのあのどまどった感じがすごく好き。
ちょっと笑った。
ゲームしているところも良かった。

そしてヒロインのOS、サマンサの声を演じているスカーレット・ヨハンソン。
彼女に尽きます。
スカヨハは好きではないけどこのスカヨハは最高にいい。
もちろんサマンサが主演女優なのは言うまでもないでしょう!
セクシーでそしてハスキーヴォイス。
あれならどんな男性もメロメロになっちゃうのはわかる。
余りに見事な声の演技で
ローマ映画祭にて彼女は最優秀主演女優賞を受賞しているほどです。

エイミー役にエイミー・アダムス。
彼女もアカデミーの常連。
ここ最近のエイミー・アダムスの中で一番良かった。
一番かわいかった。
役柄もすごく好きでわしの憧れの女性像でした。
メイクもファッションもナチュラル。
アメリカン・ハッスルがすごすぎただけにギャップがすごい。

セオドアの妻のキャサリンにルーニー・マーラ。
元々はキャリー・マリガンだったそうですが降板にともない
ルーニー・マーラが役を引き継いだそうです。
わしはキャリー・マリガンの方が好きだけど
この映画の雰囲気としてはルーニー・マーラで合ってたと思います。

あとセオドアとデートをする女性役にオリヴィア・ワイルドなど。

どうでもいいけど
監督のスパイク・ジョーンズは菊池凛子の恋人ですが
今現在はどうなっているのか知りませんけど。
セオドアが自宅でしているゲームで出てくる
丸い宇宙人みたいなやつ、あの声は監督自身だそうです。


【雑感その2】
ちょっとした性的描写が2・3回くらい出てくるのですが
そういうのが苦手な方は見ない方がよいかと思います。
結構生生しいです。
というのも肉体を伴わないセックスだからです。
視覚もそうだけど声だけでセックスするってある意味想像を
掻き立てられ余計にいやらしく、嫌悪感を強くさせるのではないでしょうか。
というか最初の女、あえぎ声でか過ぎ。

近未来。
都会的でありながらファンタジー。
人とのかかわり合いが少し薄いように思えて
その一方で結局は肉体を求めたり
機械的で無機質なように見えて
映像の色彩はカラフルで暖色を多用し温かみがある。
様々な事が反していて見ていてすごくおもしろいです。
人の代筆ばかりしているセオドアも
自分の言葉で手紙をたしなめる。
これもまた見どころかなと思います。

あと
音楽もセンスにあふれてて
とにかくよかった。
サントラ買おうと思ったんだけど
残念ながらサントラは出ていないようです。(たぶん
でも映画で流れる
the moon song を無料配信していたり
the moon song を収録したCDは発売されていたりいるみたいです。

そう言えばスタッフにやたら中国人が多用されてたように
思えるんだけどめずらしいなー。
高層ビルのシーンは上海で撮影されたとか聞いたので
その影響もあるのかな??

本当に素敵で
実は王道のラブストーリー。
アカデミーで脚本賞に輝いたこの作品
全力でおススメする1本です。

2014-⑮