仕事柄、スポーツ選手に話を聞く機会があるのですが。

 

親からは特に競技や進路に関して、何も言われたことないです。自分のやりたいことをただ見守ってくれました。

 

…っていう選手がいるんですけど。

子どもを持つ前はふーん、そうかあ…と思って聞いていましたが、子育て中で、しかもサッカー少年をサポートする立場になった今は、こう思います。

 

そんなわけないじゃん。

 

前述のような家庭があるとしたら、それはもう親が仏か、子どもが天才かすごーく自立した少年だったか、のどれかだと思うのです。ただ見守っているだけに見えて、その実、どれだけ親が考えて考えてサポートしていたかに思い至っていないのは、親の戦略勝ち(というか手のひらで転がされていた)。

 

低学年で地元の少年団に入れるか、スクールに通わせるか、クラブチームに入れるか、そもそもどのスポーツをやらせるか…という初期の段階で、親の意向が少なからず働くわけです。J下部のセレクション受けるにしても、希少なスカウト少年以外は、親が日程把握して承諾書用意して郵送して…みたいな準備が必要で。

 

その先は、家庭の経済事情も大いに影響してきます。強豪クラブに入れば週末の練習試合や長期休みの遠征に、ある程度の費用や親の送迎時間も考慮しなければなりません。費用対効果の面で多少なりとも葛藤はあるはずで…。日向小次郎や小野伸二のように、貧しい家庭から見いだされる選手は難しくなるんじゃないかと思っています。

 

…話が逸れましたが、

実際には多くのプロ選手は、親のサポートがあってここまで来た、と考えるべきかと思います。実際に、放課後の練習に付き合うために残業しない部署に移った親、留学先に着いていった親、体重を増やすために工夫した夜食を用意していた親…さまざまな例があって、それは「ただ見守ってくれた」という言葉では表現できない気がして。

 

将来について議論して、きょうのプレーを評価して、未来のために意見を出し合って…そんな家庭もあっていいんじゃないかと思い、そんなスタンスを貫いています。

 

私が黙っていられなくて、息子が天才ではないからかもしれないですけれど。