春から夏にかけて、松の木には新しい松ぼっくりがついています。
これは黄緑色をしていて、青ぼっくりともいわれます。
これは松の果実であり、松の葉よりも松ヤニや生命力が豊富で、より香ばしく、栄養価も高いものです。
青ぼっくりには、体にとって必要な物質が大量に含まれています。その組成は、
ビタミンA,B,C,K
タンニン
カリウム
セレン
エッセンシャルオイル
マグネシウム、
カルシウム
アルカロイド
鉄
リン
ビオフラボノイド
などです。
これらは、抗炎症作用や免疫力を高め、ビタミンが体を活性化します。
そして毒素を排除するのに役立ちます。
昔から松ぼっくりは、咳を抑え、痰の分離を促進することに即効性があるといわれていました。
さらに、以下のような驚くべき効能があります。
血液循環の改善、
視力の改善、
血管の強化、
利尿作用(むくみを取る)、
心筋の強化、
貧血の改善、
不眠症の改善、
神経系と脳の機能の正常化、
関節疾患を改善、
代謝や消化器系のすべての臓器の働きを刺激する、
がん細胞の形成を防ぐ。
など、目を見張るものがあります。
ロシアでは、伝統的に様々な病気の治療や予防のために、青ぼっくりが使われてきました。
民間療法には、様々なレシピが存在します。
青ぼっくりを使った保存食もいろいろとありますが、私が調べて使えそうだと思ったものを、ご紹介します。
6月くらいまでの、まだ小さな(3cmくらいまでの)青ぼっくりは、やわらかくアクも少ないので、加工しやすいです。
でも、4cm以上の少し成長した青ぼっくりも、松ヤニがより増え、加工はしにくいですが、様々なものに十分利用可能です。
一番のお勧めは、松ぼっくりのシロップです。
材料は、青ぼっくりと砂糖と(あればレモン)。青ぼっくり1:砂糖1。レモンは適量。
(手や鍋には、松ヤニがどうしても付きますので、手袋を使い、松ヤニが付いても大丈夫な鍋を用意してください)
① 青ぼっくりを洗って、1〜2日、たっぷりの水に漬けて、アクを取ります。
(ヤニを完全に取る必要はありません)
② つけた水を捨てて、鍋に青ぼっくりと水を入れ、10〜15分、沸騰を続けます。
そして、ゆでこぼします。
③ 鍋に青ぼっくりを戻し、ひたひたよりも多めの水をいれ、砂糖と(あれば)輪切りにしたレモンを加え、再び火にかけます。
④ 20分くらい沸騰させ、甘さなど味見をして、ちょうどよいところで火を止めて、粗熱が取れるまでそのままにします。
色は、赤っぽい感じになっていればOKです。
⑤ 冷めたら、茶こしなどで漉して、保存瓶に移します。
⑥ できあがり。
お好みで、水や炭酸水で割って飲みます。しょうちゅうや、日本酒で割って飲むこともできます。
青ぼっくりのさわやかな風味をお楽しみください。
松ぼっくりのジャムは、シロップと工程はほぼ一緒です。
砂糖を多めにし、水分が減るまで気長に煮込んでいきます。
水で煮たときには白く濁った状態です。
それが砂糖を入れて煮込むと、だんだん赤くなっていきます。
緑の松ぼっくりから、赤いジャムができるのは、とても不思議ですね。
次は、松ぼっくりはちみつの作り方です。
これは、松ぼっくりをはちみつに漬けるのではなく、
そのまま瓶に砂糖を入れることによって、青ぼっくりからエキスが染み出し、
とろとろの状態になるので、
松ぼっくりはちみつと言われています.
材料は、青ぼっくりと砂糖を、1:1.5の割合で用意します。
① 青ぼっくりを洗って、軽く乾かします。
② 清潔な瓶に青ぼっくりと砂糖を交互に、ガラス瓶いっぱいになるように入れます。
③ 徐々に砂糖が溶けて、液体状になっていくので、しばらく冷暗所においておきます。
(瓶をひっくり返して混ぜたりせず、砂糖から青ぼっくりが出ないようにしてください)
④ 1ヵ月くらい経つと、完全に液体になって、はちみつ状になります。
(青ぼっくりは、しぼんだ感じになります)
⑤ できあがり。
とても青ぼっくりだけでできたとは思えない、甘く美味しいシロップになります。
これを松葉茶に入れてもいいです。
次に、松ぼっくりのリキュール漬けです。
よく洗った青ぼっくり150gに、35度のリキュール220gを足して、瓶に詰め、蓋をします。
2〜3週間置くと、松のエキスが染み出して、栄養豊富なお酒になります。
これを毎日大さじ1杯いただきます。
チンキとして、肌をうるおす化粧水に足すこともできます。
青ぼっくりのお茶
お茶として飲む場合には、できるだけ実を小さく切ったほうがいいです。
固くて切れない場合は、鍋に青ぼっくりと水を入れて、火にかけて沸騰させ、
しばらく冷まして、また火にかける。
これを繰り返すと、エキスが出やすいです。
最後に漉して飲んでください.
最後に、青ぼっくりの保存ですが、ロシアでは春先に青ぼっくりを摘んで、冬まで保存します。
長期に保存する場合は、乾燥させる方法もあります。
その場合は、オーブンに40度で50分間入れると、はやく乾かすことができます。
完全に乾いたものであれば、1年以上もつようです。
生命力のかたまりのような青ぼっくりなので、よろしければ、日々の健康にお役立てください。
なお、身近で青ぼっくりが手に入らないという方は、お譲りできますが、数に限りがありますので、BASEのショップに直接コンタクトください。