三省堂
日本で一番売れている国語辞典は?
正解は、広辞苑・・・ではなく「新明解国語辞典」
学校で使ったことのある方も多いだろう。
では3番目に売れてる字引きは?
正解・・・「三省堂国語辞典」
新明解・・・2000万部
広辞苑・・・1200万部
三国・・・・・1000万部
このような順位である。
広辞苑の出版社を答えられないようなら日本人失格だからここでは放っておくとして、さて新明解と三国の出版社はどこであろうか。
正解・・・新明解、三国ともに三省堂
そう。大ベストセラー辞書のトップ3のうち2つが同じ出版社から出ている。全盛期の巨人が輩出したゴールデングラブ賞的状態である。或いはジョーダン・ピペン・ロッドマン時代のブルズ的状態だ。
シソーラスはこれといった決定版がないが、個人的には角川の『類語国語辞典』が一番だと思っている。これも思わず唸るような辞書だ。
四字熟語の辞書は、と問われたら、私はまずこれを推す。まぁいままで21年間生きてきた中で「四字熟語の字引のオススメを教えてくれ」と聞かれたことはないのだが・・・
本書は頗る付きの引きやすさだ。さすが辞書の三省堂。
山田忠雄と見坊豪紀が居ただけある。
まず索引がかなり豊富である。
キーワード索引・出典別索引・故事を背景に持つ熟語の索引・読み下し四字熟語索引・難読四字熟語索引・逆引き索引、そして総合四字熟語索引。
その中でもキーワード索引はかなり使いやすい。
大項目には、【家族・慶弔】 【人物・能力】 【人生】 【生活】 【感情】 【心境】 【性格】 【自然現象】 【政治・社会】 【学問・宗教】 【文藝・言語】 【状態・その他】 の12のキーワードがズラズラと並んでおり、お目当てのキーワードをみつけ、あとは地道に引いていく。
例えば【家族・慶弔】という大項目の下には【家族】【慶弔】【孝行】の中項目が並んでいる。
これだけ豊富にあれば、おバカさんでも字引を駆使できる。
先に挙げた『類語国語辞典』は引き始めるとかなりの手間を要するが(何しろ類語であるから)これは比較的サクッといける。
どういうふうに使っているか記せば、例えば「軽薄な人間」という言葉をかっこよく四字熟語で表したいと思った時に、キーワード索引のところを見る。
そこには【性格】の大項目に【軽薄・短慮】の中項目がぶら下がっている。次に、この【軽薄・短慮】の箇所に並んでいる熟語をじっと見ていく。
すると・・・
一言居士・婉曲迂遠・掩耳盗鐘(「えんじとうしょう」と読む)などなど、普通に生きていれば出会うことのない言葉たちが当たり前の顔をして並んでいる。
ちなみに「掩耳盗鐘」は「園児凍傷」と「園児闘将」と予測変換された。怪我をした子供か、それとも星野仙一のような園児なのだろう。
そして突然、「苟且偸安(こうしょとうあん)」という言葉に出会う。
ここから恋が始まるわけだ。
そしてその言葉を引く。
あった、あった。でてきた。
「目前の一時の安楽をむさぼって、将来を考えないこと。 略して苟偸(こうとう) 苟安(こうあん)ともいう。」 用法→苟且偸安ばかりでは未来は決して開かれない。
こういう具合だ。
ちなみに苟且偸安は何を形容したいがために引いたかというと、「大学生」だ。
以上である。
どうでしょうか。
大学生の飲み会よりはオモシロイ!