マルガリータは女性からの人気も高いカクテルです。

1949年のカクテルコンテストで入賞した由来があります。作者ジャン・デュレッサーがカクテルに恋人の名前をつけたとか。
若い頃、狩猟に出掛けた際に、マルガリータがハンターの流れ弾を受けて息を引き取るんです。ジャンの腕の中で。
そんな胸きゅんエピソードが女性人気に一役買っているかもしれません。

ところがこの話、日本以外では知られていないらしいのです。どうも後世になって創作されたエピソードの可能性があるそうで。
海外の酒類研究家の新しい説によると、1920年代にメキシコのバーテンダー‘‘ヘンリー・マッデン‘’が、あるカクテルを作る際に間違えてテキーラを使ったら美味しく仕上がってしまい(ズバリアートみたい笑)、1930年代半ばにはそのカクテル‘‘マルガリータ’’がメキシコ全土に広まったというのです。

真偽のほうはさておいて、ドラマチックな恋人の話、そちらを私は推したいな。
素敵な妄想はカクテルの大切なエッセンスですからね。


《レシピ》
・テキーラブランコ・・・・30ml
・コアントロー・・・・・・15ml
・ライムジュース・・・・・15ml


●シェーク
※塩でスノースタイル



ズバリアートはイタリア語で「間違い」のこと。

イタリア・ミラノの老舗バール‘‘バール・バッソ’’のバーテンダーが、間違ったレシピでネグローニを作ってしまったのです。
ところが、これが美味しいと大好評。‘‘間違いネグローニ’’と名付けられ人気カクテルの仲間入りを果たしたのです。

‘‘ネグローニ’’とは20世紀初頭に生まれたカクテルで、ジン、カンパリ、スイートベルモットの組み合わせ。甘苦く飲み応えある美味しさでして、ネグローニさんがオーダーして誕生しました。

ネグローニさんはもともと‘‘アメリカーノ’’というカクテル(カンパリ、スイートベルモット、ソーダ)が好きでしたが、ある日ソーダをジンに替えて飲み始めたとか。

‘‘ネグローニ・ズバリアート’’のレシピはカンパリ、スイートベルモット、スプマンテ(イタリア産スパークリングワイン)を同量ずつ注ぐかんじ。

バール・バッソのバーテンダーはその時忙しかったんだろうな。
ネグローニを作ろうとした時にアメリカーノのレシピが頭の中でごっちゃになって、さらにソーダを注いだつもりでうっかりスプマンテを注いでしまったんだろうな。
あり得ない間違いのようで、私にはよく分かるうっかりです。
まあ、他のバーテンダーの方々はよく分かりませんが、私は自他共に認めるうっかりさんですからね笑


それでもそれが美味しくて、広く世界中で市民権を得たのであれば結果オーライですよね。
皆さんも試してみてくださいませ。とても飲みやすく美味しいですよ!


《レシピ》
・カンパリ・・・・・・・・・30ml
・スイートベルモット・・・・30ml
・スパークリングワイン・・・30ml

●ビルド


美しい緑色のカクテル‘‘カルーソー’’はジンをベースにベルモットとミントを効かせた味わい。

伝説的なテノール歌手「エンリコ・カルーソー」に寄せて作られ、スタンダードカクテルとして広く知られています。
エンリコ・カルーソーはイタリア・ナポリ生まれの、古今にその比を見ない歌い手です。
ミントリキュールの爽やかさで、彼の澄んだ歌声を表現していると云われます。
蓄音機の誕生により世界初の人気レコード歌手となった彼の歌声は、バーテンダーのイマジネーションを掻き立てたのでしょうね。

私はさらにイメージを広げます。
この美しい緑色は、彼が晩年を過ごしたソレントの海の色なのかもしれないな、それともちょっと足を伸ばしたアマルフィ海岸の色なのかもしれないな、てね。

ベースとなるジンはイタリア産の‘‘マルコーニ’’。この香りの強さがミントリキュールと相性ばっちりでして、強い個性のぶつかり合いが不思議と丸くまとまるのです。
ぜひお試しくださいませ。


《レシピ》
・ジン(マルコーニ46)・・・・・30ml
・ドライベルモット(チンザノ)・15ml
・グリーンミントリキュール   ・15ml

●ステア