これぞ‘‘ウインナ・コーヒー’’ですね。
オーストリアでウインナコーヒーなんて言っても通じません。それらしくアインシュペンナーって言わないと。

サロンアインシュペンナーは濃いコーヒーにウォッカを加え、生クリームをもりもり載せたカクテルです。
コーヒーとクリームの量を半々にするのが本来ですが、そこを飲みやすいバランスに仕上げるのも私の仕事と言うことで。
コーヒーを多めにし、クリームは五分立てくらいのゆるさにします。クリームの甘さは控えめにし、植物性のを使用。
これは、「一杯で満足する味にしない」ためでもあります。
二杯三杯と多様なカクテルを楽しんで頂きたいと思っちゃうのがバーテンダーでありますから。

アインシュペンナーとは馬車のことです。馬一頭で引く馬車。
御者が寒い中で主人を待つ間に暖をとるために飲んでいたとか。
また、貴婦人たちが馬車の中でコーヒーを飲む際にこぼれにくくするためにクリームで蓋をしたとか。
そんな馬車絡みのエピソードに彩られたカクテルなのです。

ちなみにウォッカの代わりにキルシュ(さくらんぼのお酒)を加えたものは‘‘フィアカー(二頭立ての馬車)’’と名前が変わります。豆知識ね。

温かいスイーツのようなカクテル、どうぞお試しください。


《レシピ》
・ウォッカ・・・・・・30ml
・水だしコーヒー・・・100ml
・上白糖・・・・・・1tsp
・植物性クリーム(五分立て)・・・適量
・ココアパウダー・・・少々


●ビルド

※ウォッカは火を着けて少しだけアルコールを飛ばす
林檎のブランデー‘‘カルヴァドス’’と水だしコーヒーの組み合わせ。
ブランデーとコーヒーの相性ってとても良いですよね。香りが良い。
このカクテルは‘‘アイリッシュコーヒー’’のアレンジになります。
温かいコーヒーのカクテル。
冬場の定番ですね。

アイリッシュコーヒーは1940年代にアイルランドの空港で乗客に供したのが始まり。
旅客機の燃料補給中の寒さをしのぐために考案されました。
こんなに美味しいの出されたらみんなにっこりしちゃいますよね。

シンプルなレシピだけにアレンジもたくさんあります。
ベースのお酒を代えるだけでそれぞれの美味しさが楽しめるのです。

見た目一緒だからまとめて列記しますね。
クリームが多い‘‘サロンアインシュペンナー’’だけは次回別枠で紹介します。

・アイリッシュウイスキー
    →アイリッシュコーヒー
・スコッチウイスキー
    →ゲーリックコーヒー
・バーボンウイスキー
    →ケンタッキーコーヒー
・カナディアンウイスキー
    →カナディアンコーヒー
・ジャパニーズウイスキー
    →使うウイスキーの銘柄で呼ぶといいんじゃないかな。
・コニャックブランデー
    →ロイヤルコーヒー
・キルシュヴァッサー
    →ジャーマンコーヒー
・ジャーマンブランデー
    →リューデスハイムコーヒー
・ラム
    →カリプソコーヒー
・ジン
    →イングリッシュコーヒー
・ウォッカ
    →ロシアンコーヒー
・ベネディクティンDOM
    →モンクスコーヒー
・アマレット
    →イタリアン・クラシコ
などなど。
肌寒い夜にはぜひどうぞ。


《レシピ》
・カルヴァドス・・・・・30ml
・水だしコーヒー・・・・120ml
・上白糖・・・・・・・・1tsp
・クリーム・・・・・・・適量


●ビルド

※コーヒーは熱くてもオッケー。

グレープフルーツはイタリア語で‘‘ポンペルモ’’と言います。
響きがかわいいですね。
グレープフルーツのことをグレープと略する方もいまして、その紛らわしさがストレスになりますので、ポンペルモを世界共通語にしたら良いのにと思います。
割とマジで。

ポンペルモーニは、スプモーニ(No.033)のアレンジによく使う言い回し‘‘~モーニ’’ とポンペルモを合わせた造語です。
そう、このカクテルはオリジナルです。

○自家製グレープフルーツリキュール
(アルコール50度のウォッカにグレープフルーツの皮を漬け込んでシュガーシロップを加えたもの)

○自家製グレープフルーツウォッカ
(40度のウォッカにグレープフルーツの皮を漬け込んだもの)

この二つをブレンドしてベースとします。

その味わいは某ファンタのように「グレープフルーツよりもグレープフルーツ」と云われる美味しさに。
あるお客様からは「某千疋屋の美味しさ」とのお褒めの言葉を頂戴しております。

いかがでしょうか。
ポンペルモ大好きっ子は試してみてくださいませ。


《レシピ》
・グレープフルーツウォッカ・・・・15ml
・グレープフルーツリキュール・・・15ml
・グレープフルーツジュース・・・・60ml
・トニックウォーター・・・・・・・60ml


●ビルド