音楽Q&A♪

~楽器問わず、何かのヒントになればとの思いから、音楽・楽器の疑問や悩みを自問自答します♪

 

Q:クラシックギターを練習していますが、安定感のある演奏が出来ずに悩んでいます。どうすれば安心して聴いてもらえる『安定感のある演奏』が出来るでしょうか?

 

A:ギターの演奏を安定させる為には、右手親指の居場所を定める事や、「プランティング」というテクニックなどがありますが、今回はもう少し根本的な視点から解説したいと思います。

「ボイトレ」をご存知でしょうか? 「ボイトレ」とは「ボイス・トレーニングの略」ですが、歌手が安定した歌声を得る為に、基礎的な訓練として取り入れるものです。 記事タイトルからすると語弊があるかも知れませんが、この「ボイトレ」をギターにも適用できないかと考える事で、少し改善されるかも知れません。

 

ボイストレーニングとは、歌手が取り組む、基礎練習ですが、その一例を分かりく言えば、発声練習があります。

「C:ドミソミドー D:レファラファレー E:ミソシソミー …」といったアレです。

管楽器でいう「ロングトーン」や「スケール練習」も基礎練習の代表です。

 

歌手やアナウンサー、役者など、声を扱う仕事を目指す人は「ボイトレ」を一生懸命にやっているイメージが強いですが、楽器奏者になると、この「基礎練習」をおろそかにしがちな気がします…というか、そういった声を良く聞きます。

(打楽器の人は「基礎練習」をやっているイメージが強いです。)

 

ただ大抵の教則本には、まず「ロングトーンやスケール」が掲載されています。 どの先生(著者)にとっても、やはり基礎が大切という事かと思いますが、どうしても、すっ飛ばして、魅力的な曲に取り組みたくなるものです。

 

私は滅多にカラオケには行きませんが、たまーに付き合いでカラオケのあるお店に行くと、色々な人の歌声を聴く事となります。

上手い人や、残念な人など、色々ですが、ストレス発散で、好きな曲だけ楽しんで歌う分には、全く問題ないかと思います。

(一般的に「ボイトレ」してカラオケに臨む人は稀でしょうし、上手い人だらけのカラオケも疲れそう…^_^;)

 

ただ、「ボイトレ」をしている方は、多少音痴な方でも、ある程度、安定感のある歌が披露できるのではないかと思われます。

 

たまに、アイドルとか俳優とか、本業ミュージシャンでも、少し音痴な歌手っていますよね…(失礼🙇‍♀)

編集技術の影響も大きいのかも知れませんが、それでも、やはりプロなので、ボイトレをしている方であれば、ある程度、安定感があり聴きやすい気がします。

 

ただ、これらの基礎練習は「やった方が良い、やりなさい…」と言われて、根性論で仕方なしにやっても、効果はイマイチで、何の為にやるのかを意識する事が大切です。(たまに歌声だとあり得ない音で、ひたすら16拍ロングトーンをしている方もおられます。)

 

質問者様は、発表会等を含めて、多少なりと人に聴かせる事を前提にした悩みのように受け取れます。ある程度、楽器に慣れてきた上で、更なる高みを目指しているのではないでしょうか音譜

 

安定した演奏が出来ない事のお悩みのようですが、もしかして、質問者様の演奏は、音量が小さいのではないでしょうか?

 

管弦打楽器…歌…種類を問わず、音量というのは大切な要素です。 好き嫌いもあるかも知れませんが、声の大きな人には説得力もあります。 特にクラシックギターは根本的に音量が小さな楽器ですので、耳をすまさなければ聴こえないような、か細い音で弾いている初中級者の方が多い気がします。

 

これは、ギターの扱いに慣れていない事もあるかも知れませんが、そもそもの発声練習(発音練習)が出来ていない事が、ひとつの要因かと思われます。 見た目からしても、「腫れ物に触るような、熱いものを触るような、恐る恐るなタッチ」で弾いている方がよくおられます。

 

なんとなく卒なくキレイに演奏するのではなく、太い音でシッカリと鳴らした音楽と言うか、スゴイ人って、やっぱり突き抜けているんですよね…^^;

 

逆にいうと「小さな音でも安定して演奏する」という事は、実は更なる「至難の業」なので、先ずは「ゆっくり大きな音で演奏する方」が、楽なのではないかと思われます。 美しくキレイに演奏しようとする余り、小さな音で、こじんまりとまとめようとすると余計に難しくなってしまう気がします。

 

例えば、管楽器では難しいのはピアニッシモです。管楽器は息を入れなければ音が鳴りません。少量の息を安定して供給するのが難しいのです。 構造や悩みは違いますが、ギターも弾かなければ音は鳴りません。

 

ゆっくりで良いので、発声練習をする事。 …つまり、ギターにおける発音の練習をする事が大切かと思われます。

地味ではありますが、ゆっくりで良いので、正しい姿勢と、確実なタッチで、しっかりとした大きな音を出す練習です。

 

ギターにロングトーンは無いだろうと思うかも知れませんが、セゴビアは「2時間のスケール練習は6時間の無益な練習に匹敵する。」と仰っています。

このスケール練習で、ゆっくりと確実に発音し、真っ直ぐ伸ばし、最後まで美しく音を処理する事が、つまりはギターにおけるロングトーンであり、発声練習となるはずです。

 

ゆっくりで、しっかりと安定した音が出せない人が、曲で安定するはずがありません。

この地道な努力を積み重ねて、少しずづ、複雑な曲が速くても安定して弾けるようになるのかと思います。

 

そして安定して演奏できる状態から、ヴィブラートや強弱、テンポを揺らす…など、様々な面から個性的に作り上げていくのかと思います。

 

たまたま上手くいく箇所、苦手で不安定な箇所、体の都合上で音量が落ちる箇所、急に大きな音になってしまう箇所…と、成り行きで演奏が進むのではなく、全てが計画的にコントロールされた音楽が安定感を生みます。

 

だから、このトレーニングを積んだ、上手い人の演奏は、やはり安定していて安心して聴けるのかと思います。 

 

基礎的な訓練を経た人の演奏は、ちょっと音を聴いただけでも、その違いが分かります。

最近、テレビで「ニンゲン観察バラエティ・モニタリング」って番組で、よく歌手の方が変装して歌って、聴衆を驚かせていますが、アレもそういう事かと思います。 

 

もっと一流になれば、音にムラがないというか、実のない音がない訳です。 例えばですが、美空ひばりさんの「川の流れのように」を聴いてみて下さい。平原綾香さんの「ジュピター」でも良いです。 抜けがないというか、全ての音に実が詰まり、ひとつひとつの音に丁寧さと意志を感じます。音の処理もとても美しいです。 抜群の安定感があるので、お客さんは安心して聴ける訳です。

 

 

 

突然、歌番組みたいになってしまいました…。

 

今回のご質問はギターに関してでしたが、つまりはギターでもオーボエでもオカリナでも、全ての楽器奏者や歌手にとって基礎練習が大切という事です。

 

今回の内容は私にとっても、大きな悩みですし、自分自身に強く、言い聞かせたい内容ですね…。

お互い頑張りましょう音譜ニコニコ

 

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