『理に適う』という言葉がありますが、『何事も理屈で攻めて見れば上手くいく』のではないかと考えたりします。
例えば、私には「痩せる」という長年の想いがありますが、一向に叶う気配がありません…
体重は摂取カロリーと消費カロリーのバランスで決まるというのは、良く聞く話です。
食べる量、つまり摂取カロリーを減らし、筋トレや有酸素運動で消費カロリーを増やして、『± プラスマイナス』を調整すれば、理屈としては痩せていく事になります。 これは生き物としての理屈(仕組み)なのでしょうね。
強引ではありますが、ムショに入れば、嫌でも痩せていくでしょう…![]()
でも、実生活では、これがなかなか簡単ではありません。
…で、これを音楽に置き換えるとどうなのかな…。
音楽というのは、三大要素(メロディ、ハーモニー、リズム)で構築されています。
そして、これらを構築する為には、『正しい音程と正しい長さ』が必要です。
そして、この『正しい音程と正しい長さ』は、コンピュータに打ち込みでも再現可能です。 味気ないかも知れませんが、ここに歌心や、ちょっとしたアゴーギグなど人間味(個性)を加えていくと、より魅力的な演奏になるのかと思います。
…でも、人間の場合は自分の技量や楽器の状態などにより、中々『正しい音程と正しい長さ』だけでも正確にする事は難しいです。
…で、何を理詰めでいくかというと、まず、必要な要素を分解してみます。
例えば、これらの三大要素はスケールや分散和音(アルペジオ)、跳躍などから構成されています。
…という事は、自身の扱う楽器でのスケールを確実にし、アルペジオの練習をし、跳躍のタイミングやコツを会得する。そしてハーモニー(和声)などの知識や、バランス感覚を養う。
いわゆる『音楽家としての基礎訓練』と呼ばれる練習ですね。
『基礎』という言葉は英語で言うと『base』や『fundament』と言うようです。
化粧で『ファンデーション』という物がありますが、やはり先ずは下地が大事なのでしょうかね。
ちなみに、これらが確実に出来れば、理屈上、とりあえずはコンピュータのような演奏は出来上がるはずです。
まぁ、それが難しいのですが、これらひとつひとつを確実にする為の方法を深く掘り下げていく必要がありますね![]()
なぜ上手くいかないのか、脳と体の連携、フォームや指、息使いなど、ゆっくりゆっくり脱力して考える事が大事です。
そして出来上がった基礎に、人生の中で出会う様々な音楽から得た、音楽性や自身の歌心などを独自の個性を加味し、更には、共演する方との臨機応変な掛け合いなどの相乗効果で膨らませていけば、AIなど機械には真似できない、唯一無二の魅力的な音楽になるでしょう![]()
…でもこれで、楽器の達人には近づけても、プロになれる訳ではありません。 プロには人徳やプロデュース力、営業力、マーケティング力、など演奏技術とは違う能力も求められるのでしょうね…。
そう考えると色々兼ね備える一流のプロが100人集まったオーケストラなどは、やはり贅沢なわけですね
思いをなんとなく書き始めて、結局たどり着いたのは、『日々の基礎練習の積み重ねが大切』という事でした…![]()
あとは、いろんな音楽を聴いて、自分の表現したい音楽の幅を広げる事。
そして、食べる量を減らして、毎日歩け…という事でした…![]()
最後になんですが、学生時代の愛読書『青春の門』に「理屈じゃなか…」というセリフがあります。そこが人間社会の面白い所ですね…。
ノリだけで頑張る演奏は「基礎がなっていない…」と言われる事もあるし、多少ミスがあったり音程が悪くても「あの人の演奏は、なぜか人間味があって素敵…」という演奏もあります。
「基礎」は大切ですが、きっと理屈じゃない部分も大きいと思います…![]()


