新生児マス・スクリーニング
世の中なぜそれをやっているのかわかっていなくても流れることって多々あります.仕事に関してもそう.もっといえば僕のように,人の命に関わる職業ですら,そういう場面がないわけではありません.
僕にとって,このテーマもその一つだったので振り返ってみることにしました.
対象疾患
出生後速やかに発見し,早い時期から適切な介入を行えば未然に防ぐことが出来,スクリーニングによって患児,家族,社会的に利益をもたらす対象の疾患が選ばれています.
国ごとに異なりますが,現在日本では
フェニルケトン尿症(約8万人に1人が発症)、メープルシロップ尿症(約54万人に1人)、ホモシスチン尿症(約37万人に1人)、ガラクトース血症(約4万人に1人)、先天性副腎過形成症(約2万人に1人)、先天性甲状腺機能低下症(約2千人に1人)の検査をしています.
方法としては 直径11mmの円が4つ印刷された暑さ0.44mmの専用ろ紙に採血します.出来る限り,2度付けや表・裏からつけると正しい結果が得られない場合があるからです.
採血場所ですが,新生児のかかとの外側部をアルコール綿で拭いて2.3mmの深さに穿刺します.かかとの中央や後部で穿刺すると,踵骨骨髄炎や血管・神経損傷のリスクが高いです.
採血時期
原則は5-7日目 哺乳後2時間前後(代謝物をみる検査でもあるから)
ハイリスク新生児で嘔吐,意識障害,哺乳不良,痙攣などの異常をきたした場合,メープルシロップ尿症,ガラクトース血症,先天性副腎過形成でも上記のような症状をきたすことがあるのでマススクリーニングを即座に提出することもあります.
対象疾患 |
検査項目 |
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アミノ酸 代謝異常 |
フェニールアラニン |
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メチオニン |
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ロイシン |
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糖質の代謝異常 |
ガラクトース |
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内分泌疾患 |
TSH |
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17-OHP |
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異常をきたした場合
即座に診断がつくわけではなく,再検査をおこないます.代謝機能が未熟なため一過性の異常を認めている場合,妊婦がヨードうがい薬を使用したり,分娩後胎児の臍帯の切断面にヨードで消毒し一時的に血中TSH上昇しクレチン症との鑑別が必要になることもあります.
再検査で要請をきたした場合は対象疾患である場合がおおく,両親に対し慎重にお話しする必要があります.疑われる病名,今後専門医療機関で精査・治療が必要な点をお伝えします.
それと同時に新生児マススクリーニングで無症状のうちに治療を開始すると,成長発達には心配がないことなどを説明し希望をもたせることも必要です.
僕も結婚を考える時期になりました.子供のことを考えると,元気な子が生まれてほしいと思います.でもある確率でいろんな病気が起こりうるもの現実です.よく産婦人科は訴訟が多いだの問題になりますが,子供がかわいいから,また伴侶を大事に思うがゆえのことなんですよね.
医療従事者として真摯に接するようにもっといろんなことに敏感になっていたいと思います.