検診をしていると、一番多い質問がこれです。今までは検診だからと「その症状は更年期ですねドキドキ」 とながしていたんですが、これからはそんなあいまいな医療するんではなくて、すべてお話ししてその上で方針をきめていけるような医者になる予定なんですが・・・


更年期から閉経期にかけていろいろな障害がおこりはじめます。

卵巣機能が低下しエストロゲン分泌の低下・消失がおこることにより自律神経症状(異常発汗、動機、めまい、ホットフラッシュ)、精神症状、生殖器の委縮症状、心血管系症状、骨そしょう症などを引き起こします。

最近予防医学がとりはやされ、高齢化が進む中で、これらに対して適切な理解をもって診療にあたることが大切なことではないかなと思います。

婦人科になってから、母親に「・・・って更年期症状だよね?」と聞かれても「仕方ないね」と返答してた自分が少し恥ずかしくなりました。

骨そしょう症

骨量は閉経後610年で15-20%減少する。骨折が起こった場合ADLやQOLが低下し、寝たきりになることで生命の危険を脅かす可能性だってある。食事療法、運動療法とともに薬物療法も念頭に入れる必要があると思います。骨そしょう症に対してはガイドラインが発刊されているため、どこにいっても比較的standardな治療がおこなわれるはずです。

更年期うつ病

抑うつ気分、不眠、頭重感など精神症状が出現することがあります。更年期のうつ病は更年期障害患者の25%に合併しているという報告もありますが、更年期障害とひとまとめにされ、未治療なことも少なくありません。今後精神科医師との連携も大事になってくると思われます。

脂質異常症

閉経後脂質異常を増加させます。閉経後女性の脂質異常症に対する薬物療法の有用性に対しては曖昧な部分も多々あるが、ある試験でtotal cholesterol 220-270mg/dlに対し食事療法+スタチン製剤を使用した群が冠動脈疾患、脳梗塞の発症率を低下させたと報告があります。今後内服による治療が必要なのでないかなと考えます。

メタボリックシンドローム

内蔵肥満がいろいろな病気を引き起こすって概念なんですが、最近よく耳にしますよね。

診断基準としてはウエスト周囲径 女性≧90cmを満たすことを前提に①高トリグリセライド血症≧150mg/dl かつ/または低HDLコレステロール血症<40mg/dl②収縮期血圧≧130mmHgかつ/または拡張期血圧≧85mmHg③空腹時高血糖≧110mg/dlのうち2項目以上をみたすものを言います。更年期-閉経後にかけて上記をみたす人が増加します。

女性に関しては肥満は子宮体癌(リスク比1.59-2.52)、乳がん(リスク比1.12-2.25)のリスクでもあるので少し気をかけてみてもいいかもしれません。

アルツハイマー病

発症率は男性に比べ1.7-3倍高く、病態や閉経後に発症することが多いことを考慮すると、多面的に閉経はアルツハイマー病の促進因子と考えられます。状況におうじて適切な治療をおこなっていく必要があると考えます。

こうやって何個かピックアップするだけでも更年期から閉経にかけて婦人科を受療することにより、健康管理をおこなう必要性が理解できると思います。

ある有名な外来処方マニュアルには

ホルモン補充療法(→また違う機会に注意点を記載予定)

閉経前

(子宮あり)

エストロゲン製剤:

プレマリン(0.6251T or エストラダーム、エストラーナ 隔日 or フェミエスト(4.33or2.172/week 25日分

黄体ホルモン製剤:

プロベラ(2.54T 後半14日分

閉経後

エストロゲン製剤:

プレマリン(0.6251T or エストラダーム、エストラーナ 隔日 or フェミエスト(4.33or2.172/week 

黄体ホルモン製剤:

プロベラ(2.51T 

(子宮がない場合)

エストロゲン製剤:

プレマリン(0.6251T or エストラダーム、エストラーナ 隔日 or フェミエスト(4.33or2.172/week

更年期障害に使う漢方薬

血管運動神経症状に対し

①当帰芍薬散(2.53T

②桂枝茯苓散(2.53T

不安・抑うつに対し

加味逍遙散(2.53T

ほかにも多々書くことがあるんですが、当直業務が忙しいので今日はここまでにします。(高脂血症薬、膣炎など)