昭和の終わりごろの帯広の街中の風景を思い出すと
「白い地下」という喫茶店でもなく、バーのような不思議な店を思い出す
薄暗い階段の降り口には、モディリアーニの『黒いネクタイの女』の絵の看板があり、店主も画家だったらしく、店内の壁にかなり大きな油絵が飾ってあった
プロレタリアートとブルジョアジーの対立をイメージさせるような構図の絵だった
薄暗い店内には薄汚れたテーブルと座りの悪い椅子、壁際に作り付けのベンチシートがあったように記憶している
今思えば、看板のモディリアーニの絵画は著作権への配慮など全くなかったんだろう
1920年に亡くなったモディリアーニの場合、日本での著作権保護期間は2020年で満了とのことなので、お店が存在した1980年代の真っただ中は・・・
まあ緩やかな時代だったんだろうと思う
お店では、深夜、ビーフストロガノフを食べて、ピロシキを食べて、ルシアンティーを飲んで、最後に強いお酒を飲まされて、良く寝てしまっていた
出される食事は美味しかった
大人になったような気がして、心地よい空間だった
閉店後、深夜2時頃だったか、店主が小さな車で下宿まで送ってくれたこともあった
その時店主が酔っていたとかいないとか、そこは時効かもしれないが触れないでおく
どこにこの店があったか、思い出せないし、散策してももう辿り着けない

