テセウスの船4話 樹里さんのインタビューより
肩脱臼し結局、骨折&腱板を痛めてしまっていました。
片腕だけでもコブ斜面は滑れたけども、しばらくスキーは断念。
だけど、まだ終わってない。諦めない!
札幌にどっさり良い雪が降った途端になんて不幸なんだ!と非常に憂鬱な気分にもなりましたが、
田村心さん&その周囲の皆さんに比べれば、笑っちゃうレベルな不幸です。
怪我のおかげで時間的余裕があるし、樹里さんがすばらしいしで、4話はすでに5回も見ました。
樹海人だけでなく、誰もが大絶賛している樹里さんの演技。
樹里さん、このドラマでは特に、わかりやすく伝わるお芝居をしていると思います。
やっぱり日9で大映チームならではの演出でしょうか。
わかりやすく感じるけど、特別出演の樹里さんのキャラクターは難しいと思います。
田村心と出会っていない、田村(岸田)由紀。
ある時点までは同一なのだけど、結婚相手となる男性と出会っておらず週刊誌の記者を選び仕事を続け、事件を追い続けている記者であるのですから、同じ人だけど違う。違うけど同じという非常に微妙な役作りだろうなあと思うのです。
だからこそ、由紀役に上野樹里が要るのだなと。
樹里さんがインタビューでもコメントされていました。
https://www.tbs.co.jp/theseusnofune/interview/4.html
確かに「一筋縄ではいかない役作り」だったのだろうと思いますが、
見事に演じられていて、惚れ惚れしました。ね!
このインタビューの中で樹里さんが
『「完全に自分は騙されている」という感覚を絶対に体験することになる』とおっしゃっています。
今も私達はだまされている状態かもしれません。
そうやってドラマを楽しんでいるのですが、
4話の直前に「湖東記念病院事件」で元看護助手が無罪判決へという現実の冤罪のニュースが流れました。
元看護助手は冤罪を訴えつづけ、12年も服役したそうです。
この方にも田村心のような家族がいたでしょう。
ドラマの話ではなく、現実問題として冤罪は多くあります。
人が人を裁くことは難しい。
誰もが簡単にだまされてしまう。
由紀の上司が「安っぽい正義感がやめろ!週刊誌は売れてなんぼだ!」といいます。
今は紙媒体よりネットの情報が主流だけど、その情報の真偽を見極めるのは非常に難しいです。
売れるために加工された情報で溢れています。
由紀は正義感からだけではなく、犯人の息子である心をフィルターなしに接する中で、
あの壇上の呼びかけの行動に出たんだと思うと、真実への向き合い方の参考になります。
樹里さんが「自分から逃げたり自分をごまかしたりする人ではなく、とてもシンプルな思考の人」と由紀を評し、
現してくれていることは、現在の誰もが持っている不安や不透明感を減らしてくれるようです。
壇上での呼びかけに、誰もが心を射抜かれたのは、
誰もが由紀の行動に驚きと共感を同時に持ち、どこか目が覚めたような気持ちになったからではないかと思うのです。
そして、叩かれてボロボロになっても
「めっちゃ怒られた〜」って笑顔になれる強さを、誰もが持ちたいと思ったのではないでしょうか。
テセウスの船は、ミステリーや家族の絆ものとして楽しむ他にもたくさんのことを考えさせてくれています。