メガバンクくんは都心のど真ん中に勤めていて日々いろいろな情報も耳にするでしょうし勝手に何でもご存知と思っていましたがそうとは限らないようです。
すいすいと車を運転し目指すところのデパートに到着。ジュエリーが並ぶエリアに向かいます。
なんかすごいなあ
並ばないといけないのか
そうだよね、男性はそんなこと知らないよねと思いながらきょろきょろするメガバンクくんと列に並ぶ私。まず最初は目についた水色のパッケージのお店へ。
いらっしゃいませとうやうやしく案内してくださるお店の方。本日はどのような物をお探しですかと尋ねられ少し見せてくださいと答えるメガバンクくん。
どこの何を見ればいいのー!と思う私でしたがブライダルのコーナーには行かずファッションリングが並ぶコーナーへ進むメガバンクくん。
んんん?と思っていたところ、
どういうのが好きなのかなしーちゃんは
いや〜すごいなあ
と言いながらショーケースを見ていきます。
何か気になったものがありましたらお出ししますよ、このあたりは最近とても人気で..とお店の方に説明される私。
見せていただこうよ!しーちゃん、とこれまたむじゃきに言うメガバンクくん。どうやらエンゲージリングを探しているわけではなさそうです。え、でもこれってなんなんだろう。
気になったものをお持ちしますからと促されそれではといくつか指さす私。普段使いの指輪はほとんどしなくなっていたので、指輪をするのは本当に久しぶりでした。しわくちゃな手に燦然と輝く指輪を見てやっぱりジュエリーっていいなあと思いました。
どれか気に入ったものはあった?とお店の方が席を外した隙にこそっと耳打ちをしてくるメガバンクくん。
いくらなんでもこんな高価なものをさくっとこれがいいかな♪なんて言う度胸はない私。
どれも素敵で迷っちゃうかな、と言うと少しお店の方とお話してまた来ますね、と帰ることに。その場で名前を聞かれ顧客カードなるものをさらさらと記入していました。
お店を出た後にいきなりでびっくりしたと言いながらどういう用向きだったのか聞くと、え?ああ、指輪くらいは買った方がいいのかなと思って、とのお返事。くらいは、ってあなた。
私はなんだかとても嬉しかったけど、こんな高価なものをいただくのは..と言いながらもし、これから先に別の指輪を贈ってくれることがあったらそれだけで充分だから、というニュアンスのことを伝えました。
メガバンクくんは、そうか、分かった!と言ってその場は終わりました。
私はその時とても幸せだなあと思いました。今まで関わってきた人たちを悪く言うわけではないですがそれまで感じたことのない絶対的な安心感がありました。
そしてこのことだけでなく、大切にされていると思えることの幸福感を味わう出来事でした。