筑豊風土記 | 筑豊風土坊のブログ

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筑豊風土記 の名称は明治前期の石炭採掘より 筑前の遠賀・鞍手・嘉麻・穂波の4郡と 豊前の田川郡の5郡の石炭組合の設立によって 筑前・豊前の頭字を取り 筑豊 の名称が使われました。 この 筑豊の歴史・生活を知って頂ければの 筑豊風土記 です。

 

      近代化遺産 旧蔵内邸 その1(建築部)  (33) 


  平成25年4月18日に、福岡県築上郡築上町上深野396番地 の 石炭主旧蔵内邸 が 新しく開館 しました。 旧蔵内家は、大正8年(1919)、全国6位の出炭量を産出し 明治18年(1885)に 敷地面積約7135㎡ 建物 住居1階 1043㎡ 2階 134㎡ 倉庫331㎡ 貴船神社 や 石橋を含む 建物は 国登録県指定文化財 40-0019~40-0030 12棟は  平成14年3月12日 に登録されました。  また 福岡県指定有形文化財 にも 蔵内次郎作・保房・ 次郎兵衛の三代の炭鉱主の住宅 建造物第49号 建物 敷地 塀等 平成20年3月31日 登録となっています。


旧蔵内家は、筑豊の炭鉱主  出身地の築上町上深野 の地に 石炭主としては、本家住宅として最も古い 明治20年(1887)の建築 で、規模や内容も優れ大増築した大正の姿を非常によく残し 接客を重視した造りは炭鉱住宅では 最大の大広間  大玄関間 などによく表れています。 天井の屋久杉や 欄間・ 照明・ ふすまの引手・ 硝子 手の込んだ加工 がなされています。

仏壇部屋の壁紙の全唐革紙 は現存する 国内最古 のものといわれています。 材木についても 明治時代が 杉や松、欅が主体でしたが 大正の増築時には 台湾檜に変わり、弓型天井 や 格天井には 屋久杉が ふんだんに 使われています。  欄間については 明治時代は朽板欄間 を多く使い、組子・ 透かし・ 筬欄間が繊細に使われています。  照明と硝子は 金具に 三つ巴家紋入り・ カットガラス・ 透かし硝子 が使用されています。


浴室においては市松模様の大理石 明るいタイル アールデコ様式 を取り入れた和風のきれいな製作となっています。  便所についても明るいタイル(名古屋佐冶製陶)です。

建築物の説明においては、 間取り平面図をつけるべきですが 次回の 庭部の説明の中に記載させていただきます。  大玄関間の間取り・ 檜皮葺の屋根・ 茶室の位置・ 大広間の構造等、 に他の炭鉱主には見られない 特徴がいたるところ に見れます。 この点でも貴重な炭鉱主の住宅 として開館しました 皆さんに見ていけばと思います。 

 
  筑豊風土坊のブログ-01建物と庭園   筑豊風土坊のブログ-02正面玄関
         蔵内邸建物 と庭                    蔵内邸の玄関口

  筑豊風土坊のブログ-03玄関の天井   筑豊風土坊のブログ-04間間の横面
         玄関口の天井                        玄関口の横面 

  筑豊風土坊のブログ-05大玄関間   筑豊風土坊のブログ-06和風の部屋
           大玄関間                         和室の部屋

  筑豊風土坊のブログ-07居間の机   筑豊風土坊のブログ-08手作りの硝子
           椅子の部屋                        手作りの硝子

  筑豊風土坊のブログ-09大広間   筑豊風土坊のブログ-10浴室市松模様           
     大広間18畳と次間18畳の広さ                市松模様の浴室

  筑豊風土坊のブログ-11タイル便所   筑豊風土坊のブログ-12仏間     
           タイル製便所                          仏壇間

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      仏間壁紙の全唐革紙 (最古)                     漆喰の蔵


                   位 置 情 報

 旧蔵内邸    北緯33度38分13秒   東経130度59分42秒  標高 65m



  

      次回は 近代化遺産  旧蔵内邸  その2 (庭部) へ