子育てについては後悔しかない。


息子は小学校時代、サッカー教室に通っていた。私は本人が楽しければそれだけで良かった。元夫はそうではない。


TVでワールドカップの放送があった。息子は海外のチームには興味がなかったようで、見ようとしない。その事に、たったそれだけの事に元夫が激怒した。


「サッカーをやっていたら普通は見たがるだろう。気にならないのか?プロの試合を見たいと思わないのか?頭がおかしいんじゃないか?」


早口で大声でまくしたてる元夫。

萎縮して動けない息子。

怖くて元夫に反論できない私。


息子が黙ってTVの前に座る。

元夫に合せてゴール前を抜いたシーンで身を乗り出したり、歓声が起こる場面で反応したり…

見ていて痛々しいと思った。

まだ幼い子供。そう長くは続けられない。退屈と睡魔が息子を襲う。


眠そうに静かになったところで、再び元夫が怒鳴る。


「もう寝ろ!お前は馬鹿か?わかったふりして見やがって!どうせレギュラーにもなれないしやめてしまえ!」


どう考えても暴言。私は元夫を止められない、息子をかばえない。


私は息子の寝る部屋に入って、気にしなくていい事、楽しければサッカーを続ければいい事を小声で伝える。


案の定、元夫が追いかけてきた。

「何をコソコソ話してる?」


そこから先は覚えていない。ただ繰り返し謝り続けた。