さきほど、ニュースでサッカー日本代表の記者会見の様子を見た。
本田という人は本当に大した人だと思った。
「最後は"個"が問われるんだ」という彼の言葉は、ある意味サッカーとかスポーツということを超えて、今の時代を生きる僕らにひとつの大きなヒントを与えてくれている。もちろん、こんなことを考えているアスリートは他にもいるだろう。たとえばイチローなんかもそうだ。しかし、本田という人ほど、そしてこの記者会見での発言ほど、はっきりと印象的に具体的に述べたアスリートはかつてなかったと思う。
そうなんだ。最後は具体的な個人が、僕があるいはあなたがあるいは彼が、そこでどんなことができるのかによって物事は変わる、そんな場面が誰にでも、そしてどこにでもかならず訪れる。たとえばあの大震災の時、そこにいた誰かの力、判断、統率力で救われた命があり、そうでない命があった。必要な時に手を差し伸べることができたからこそ生きた支援があった。手を差し出すのも、それを握り返すのも具体的なひとり一人だ。そこには「絆」などという言葉では言い尽くせない具体的な「顔」があり、「手」がある。
本田という人はスポーツを通じて、そのことをつかんでいる。
彼は単に「問題は個人だ」といったのではなかった。具体的な選手の名前をあげ、彼らのやったプレーをあげ、そのことの価値を語ったうえで再度「個の力をもっと磨く」といっていた。そうなのだ。「個人」はおよそ抽象物ではない。「顔」をもち「身体」をもち、「想い」をもった存在だ。そのことが見えない人間に実は「個の責任」を問う資格はない。それは「個人責任」という名のもとに責任を「他人」にゆだねているだけのことである。
僕は彼の言葉の中に希望を感じる。未来を感じる。この日本の20代にいよいよ本当の意味で「個の力」を問い、「個の力」が集団を、社会を、そして世界を変えうるという確信を自分の力でつかみ取った人間が現われた。仲間を信じ、仲間を尊重し、だからこそ託された自分の果たすべき責任を全うするために、僕らは僕らの「個人の力」を磨かなくてはならないのだ。
そのことを改めて気付かせてくれた本田選手に心からのエールと、感謝を伝えたい。