今回の記事も出張のお話の続きです。
任地変更候補先の見学とは別に、La Pazで活動するスポーツ隊員の活動現場を見学に行ってきました。
現在La Pazに存在するいくつかのチームを活動先としているT氏。今回はLa Pazの中でも高級住宅街の中に位置するスポーツクラブでの練習に同行させてもらいました。
ボリビアにも水泳連盟は存在するのですが、日本のようにナショナルチームを形成し、強化合宿を行うようなシステムはありません。そのため、国内の大会で上位入賞し、かつ標準タイムを切った者が国際大会に出場するとのことでした。なのでT氏は、La Pazのいくつかのチームを兼任し、選手、コーチに指導しているとのことでした。
このチームの練習の流れはこんな感じ。
まず外で軽いランニングをした後、ドライランドトレーニング(陸上トレーニング)が行われます。そのトレーニングは、水泳の競技特性と懸け離れたものに見えました。なぜかプライオメトリクスが中心に構成されており、抗重力環境での瞬発力を強化するものが多く見受けられました。日本で標準的に行われている体幹の深部筋トレーニングはおろか、柔軟、ストレッチをする時間は皆無でした。隊員のT氏も、このことを危惧しているらしく、今後ドライランドトレーニングと障害予防あるいはパフォーマンス向上のためのメニューを取り入れていきたいと言っていました。
その後、立派な温水プールに移動し練習が開始されました。
僕も中学生までは水泳競技者としての経験があるので、どんな練習をしているのか見ていると、とりあえず、距離を稼ぐという感じ。インターバルを設定してセット数を決めたものではありません。なので、おそらく1日の練習で2500-3000mの距離は泳いでいると思われるのだけど、「なんとなく」泳いでいるだけで、種目特性に応じたものが導入されていないのです。
それから、肩が痛い、背中が痛い、腰が痛いなどなど…不調を訴える選手も多い。彼らの身体を評価してみると、下半身、上半身ともにガチガチ。これでは上腕二頭筋腱炎やインピンジエメント症候群と思われる選手が多いのも納得。前述したように、コンディショニングや障害予防のためのエクササイズをするという概念がないのです。久しぶりのスポーツ選手の対応に、思わず熱が入り、数名の選手に対して評価した後に、セルフエクササイズを指導しました。

このような状況もT氏はかなり奮闘して、いい活動をしていました。泳法の指導だけでもかなりニーズがあり、コーチと選手から信頼を得ている印象を受けました。

久しぶりにPTとしての仕事をしたなあ…と心地よい疲労感に浸ると同時に、やはりT氏の活動を実際に見て素晴らしい仕事をしていると実感。そして、いつもの自己嫌悪。果たして自分はTupizaで何をやっているのだろう?
それでも現場のコーチと選手から今回の突然の訪問を歓迎され、T氏から今後もコラボレーションしたいと聞かされたときは、正直嬉しかったです。やはり技術的な指導で障害予防やコンディショニングには手が回らないとのこと。赴任中必ず実現させたいと思います。