2025年11月17日

 ボリビアのオルロからウユニまで夜行列車に乗車しました。もともとこの鉄道、チチカカ湖畔から首都のラパスを経由してオルロまでつながっていたものの、この区間廃線になったためラパスからオルロまではバスでつなぐことになりました。ちなみにチチカカ湖畔からは連絡船がペルーのプーノまで就航していたようです。この廃線区間、ティワナク遺跡の入り口に駅があったようで、旧駅舎は遺跡のチケット売り場になっているようでした。

ティワナク遺跡入口の旧駅

 この路線、再整備すればラパス周辺の渋滞対策になるのではと思った。

 

 ウユニまでの切符はTickets Bolivia.comで事前に購入しておいた。発車時刻は21:30だが30分前までにチェックインするようにというようなことが書いてある。どのみち明るいうちに駅に行った方がいいと思ったので、18:00頃駅に着くと閉まっていた。乗客らしい人も2,3人いて、しばらくすると中からスタッフが出てきた。いつ開くのか身振り手振りと片言のスペイン語で尋ね時間を書いてもらったら、18:30ということでこのまま待つことにした。

 門が開いて中に入ると窓口の前に並ばされ、前の人たちは切符を買っているようだった。いろいろ聞かれて大変そうだったが、私は自宅で印刷したEチケットを提示すると、しばらく見つめたあと座席番号だけ言って、行っていいということで先のスタッフに待合室に案内された。

オルロ駅の待合室

シャンデリアや暖炉のあるたいそう立派な待合室だが、売店その他何もない。暖炉も火が入ってないので暖房もない。寒い中することもなく待つこと2時間ちょっと、21:00過ぎた頃から乗車が始まった。夜行列車といってもレールバスのような車両1両だけで、シートや足回りは比較的楽でしたが、車内は窮屈で、照明も暗く暖房もありません。

オルロ駅で発車前の列車

 以前は日本製のディーゼル機関車が何両もの客車を引いて、週4往復運行していたのが、ウユニに空港ができて利用者が減ったのか、1両で週1往復になってしまった。

 チケットは2ヶ月ほど前に予約したので、席はどこでも取れて、最前列の窓際を取りあわよくば前面展望が見られるかと思ったが、席に着くと目の前は壁で思惑ははずれた。

 21:30時間通り発車、かなり揺れる、街を出ると真っ暗で何も見えない。隣の席は空席のようで気が楽だが、寒さが気になる。でも疲れてるせいかウトウト、時折意識を回復しながら何時間も寝た気はしなかったが、駅に停車していて目が覚めた。ホームには乗客らしき人が何人か歩いている。時計をみると5:00、ウユニ着は5:30なのでまだ前の駅かと思っていたら、乗務員が来てウユニだという。慌てて降りようとしたとき、横の席に毛布があるのに気がついた、着ればよかった。7時間以上座席でじっとしていたので、急に立ち上がって荷物を持って狭い通路から急なステップを降りようとすると、ふらついて支えてもらった。辺りはまだ真っ暗、遅れてもいいようなときは早く着いてしまう、明るくなるまで駅に居よう。

 明るくなったらいろいろ見えてきた。

ウユニ駅に着いた列車

 

 かつて旅客列車を牽引していたと思われるディーゼル機関車は貨物を引いていた。

 

ウユニ駅の貨物列車

 

 6:00になって乗ってきた列車がアルゼンチン国境のビリャソンに向けて発車していったので、閉鎖されると思いそそくさと駅をあとにした。

 ウユニ塩湖を観光したあと、また列車に乗ってビリャソンに行きたかったのですが、一週間待たされては効率悪いので、バスでチリへ出ることにした。このルートも以前は旅客列車がわずかに走っていたが、貨物だけになったようです。

 

 ホテルでグーグルマップ見てたら、駅の裏手に鉄道博物館があるようなので行ってみた。

わりと最近できたようで、中には蒸気機関車を中心に車両が展示してあった。

ウユニの鉄道博物館

 建物の一角には考古学博物館も併設されてました。

 もう少し車両をきれいにして展示してはと思いましたが...

 

 翌日11月19日、ウユニ塩湖のツアーで最初に立ち寄る、「列車の墓場」。かつて活躍した車両が役目を終え、放置され朽ちていくところです。

列車の墓場

 ウユニはペルー方面とアルゼンチンを結ぶ路線から太平洋に出る路線が分岐しているので、鉄道の要衝として栄えていたと思います。

 

 南米は旅客鉄道が少ないので、今回はこれだけです。