自由と真実。 | KTAKE(タケ) 路上の軌跡 ~これから~

KTAKE(タケ) 路上の軌跡 ~これから~

すべては路上から始まりました。

シンジ②:自由の世界。
シンジ:自由?
シンジ②:何者にも束縛されない、自由の世界だよ。
シンジ:これが自由?

シンジ②:そ。自由の世界。
レイ:その代わりに、何もない。

シンジ:僕が考えない限り。
ミサト:そう。あなたが考えない限り。
シンジ:そんな、どうしたらいいのか分かんないよ。
レイ:不安なのね。
アスカ:自分のイメージがないのね。
シンジ:漠然としすぎてる。

ミサト:何もつかめない世界。
加持:君の好きにしていい世界。
ミサト:けど、あなたは不安なのね。
冬月:どうしたらいいのか、分からないのかね?

シンジ:どうしたらいいんですか?

ゲンドウ:不自由をやろう。
アスカ:ほら、これで天地ができたわ。
レイ:でもこれで、自由が一つ、消えた。
ミサト:あなたは地に立たなければならない。
加持:だが、君は安心する。
マコト:自分の心が少し楽になったから。
シゲル:そして、歩いていく。
マヤ:それは、あなたの意志。
シンジ:これが、僕の意志?

リツコ:世界に地が存在するのは、あなたの周りの世界。
トウジ:せやけど、おまえは自由に動けるんや。
ケンスケ:その気になれば世界の位置を変える事もできるさ。
ヒカリ:そして、世界の位置も常に同じところではないの。
加持:時の流れとともに、変わっていくものさ。
冬月:君自身も変わる事ができる。

ゲンドウ:おまえをかたどっているのは、
おまえ自身の心と、その周りの世界だからな。

リツコ:だって、これはあなたの世界ですもの。
ミサト:あなたが捉えている、現実の形なのよ。
シンジ:これは…何もない空間。何もない世界。
僕のほかには何もない世界。
僕がよく分からなくなっていく。
シンジ:自分がなくなっていく感じ。
僕という存在が消えていく。
ユイ:ここには、あなたしかいないからよ。

シンジ:僕しかいないから?

ユイ:自分以外の存在がないと、
あなたは自分の形が分からないから。

シンジ:自分の形…
ミサト:そう。他の人の形を見る事で、
自分の形を知っている。
アスカ:他の人との壁を見る事で、
自分の形をイメージしている。

レイ:あなたは、他の人がいないと自分が見えないの。

シンジ:他の人がいるから、
自分がいられるんじゃないか。
一人は、どこまで行っても一人じゃないか。
世界はみんな僕だけだ!

ミサト:他人との違いを認識する事で、
自分をかたどっているのね。

レイ:一番最初の他人は、母親。
アスカ:母親は、あなたとは違う人間なのよ。
シンジ:そう、僕は僕だ。
ただ、他の人たちが僕の心の形を作っているのも確かなんだ!

ミサト:そう考えれば、この現実世界もそう悪いもんじゃないわ。
シンジ:現実世界は悪くないかもしれない。でも、自分は嫌いだ。
マコト:現実を、悪く、嫌だと捉えているのは君の心だ。
シゲル:現実を真実に置き換えている、君の心さ。
マヤ:現実を見る角度、置き換える場所。
これらが少し違うだけで、
心の中は大きく変わるわ。

(中略)

加持:真実は、人の数だけ存在する。

ケンスケ:だが、君の真実は一つだ。
狭量な世界観で作られ、
自分を護るために変更された情報。
歪められた真実。

トウジ:ま、人一人が持てる世界観なんて、
ちっぽけなもんや。

ヒカリ:だけど、人はその自分の小さな物差しでしか、
物事を測れないわ。
アスカ:与えられた他人の真実でしか、
物事を見ようとしない。

ミサト:晴れの日は気分よく、
レイ:雨の日は憂鬱。
アスカ:そう教えられたら、そう思い込んでしまう。

リツコ:雨の日だって楽しい事はあるのに。

冬月:受け取り方一つでまるで別物になってしまう、
脆弱なものだ。人の中の真実とはな。

加持:人間の真実なんて、
その程度のものさ。
だからこそ、より深い真実を知りたくなるんだね。

ゲンドウ:ただ、おまえは人に好かれる事に慣れていないだけだ。

ミサト:だから、そうやって人の顔色ばかりうかがう必要なんてないのよ。

シンジ:でも、みんな僕が嫌いじゃないのかな?
アスカ:あんたバカぁ?
あんたが一人でそう思い込んでいるだけじゃないの!

シンジ:でも、僕は僕が嫌いなんだ。
レイ:自分が嫌いな人は、他人を好きに、信頼するようになれないわ。

シンジ:僕は卑怯で、臆病で、ずるくて、弱虫で。
ミサト:自分が分かれば、優しくできるでしょう?

シンジ:僕は僕が嫌いだ。
でも、好きになれるかもしれない。

僕はここにいてもいいのかもしれない。
そうだ、僕は僕でしかない。
僕は僕だ。僕でいたい!
僕はここにいたい!
僕はここにいてもいいんだ!

(省略)

エヴァンゲリオン26話より

大人向けの哲学アニメですな。