#510 【RN-38】 二十四節季~季節の言葉~      2023.9.22 | コトバあれこれ

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子ども作文教室、子ども国語教育学会の関係者による
投稿記事ブログです。

 立秋(8月8日)から45日、秋分の日を明日にひかえてもなお夏日だ。秋分後は秋雨前線の南下により涼しい大気に覆われる日を期待したい。
この夏は酷暑に参ったのか、蝉時雨も弱々しかったように感じた。虫の声も白露(9月8日)を過ぎてしっかり聞こえるようになったが、多様性に欠けており例年とは何か違っている。
 日本も体温超えの高温、豪雨が常態となり、とくに北陸・東北・北海道において例年からの変化が顕著で、さすがに気象庁も今年は異常であるとコメントした。

内閣府が2013年と2018年に行った若者(13~29歳)の意識調査によると、日本は、韓国・アメリカ・イギリス・ドイツ・フランス・スウェーデンと比べて,自己を肯定的に捉えている者,自分に誇りを持っている者の割合が極端に低い。また、日本の若者は,自分自身に満足している者の割合は5割弱,自分には長所があると思っている者の割合は7割弱で日本が最も低い。年齢階層別にみると,とくに10代後半から20代前半にかけて差が大きく、そのほか意欲の面でも数値・傾向は同じである。
 根本的要因についての解説はないが、自己肯定感は日本の未来に希望が持てるか否かに左右されるところが大きいのではないかと思われる。バブル崩壊後の30年間の日本の停滞は「日本病」として世界に認知され、政治面の要因が最も大であると考えられる。1991年の宮澤内閣から2021年の菅内閣の30年簡に15人が総理として政権を担当しているが、この中で小泉総理の通算5年、安倍総理の9年を除くと平均1年強の任期であり、とても長期的重要課題に取り組むことはできない。この間に民主党と自由民主党との政権交代、リーマンショック(2008年)、東北地方太平洋沖地震・福島第一原子力発電所事故(2011年)などが重なった。
 

 総務省によると少子高齢化の進行により、我が国の生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しており、2050年に2021年から29.2%減少すると見込まれている。また、子どもたちにとって直接的なものとして、小中高の教師不足や教育格差の問題もある。
 

 若い人たちは、これらによって国力の停滞を敏感に感じ取っているのではないか。さらに、気候変動による地球の将来の姿が解明され、その現象が年ごとに激烈化しつつあること、覇権国間の分断が鮮明になってきたことなどが、若い人たちの心に潜在的に影響を与えていることも考えられる。


 “選べる場、自己肯定感増す”とのテーマで、子どもたちの居場所として放課後を有効活用すべきとの視点から、「放課後NPOアフタースクール」代表理事の平岩国泰氏の記事が7月25日付け日本経済新聞に掲載された。15年以上の活動から、放課後に自己肯定感を高める子どもが多く、運用の4つのキーワードは、居場所・余白・伴走者・貢献感と説明されている。居場所は気持ち・人間関係が良いか、新たな出会いや発見があるか、余白は休日に家族とのんびり過ごす時間を持ち、自由に試行錯誤させる、伴走者は自分の存在を受け止めてくれる市民のボラティア(自己肯定感は1人で自動的に育まれるものではない)、貢献感は低学年の子どもの相談相手になり、自分が役立つことを実感するなどがねらいである。これを全国の自治体と協働で取組み、全市で導入するところも出てきている。
 最初の3つは私たちの作文教室の理念・指導方針に共通する点もあり実践している点もあるが、4つ目の貢献感についても意識して模索し、子供たちの自己肯定感について今後関心をもっていきたい。


                                      

 

                                     

 

                                      

 

                                      

 

             令和5年9月10日 静岡浅間(せんげん)神社(静岡市葵区宮ヶ崎町)
【神部(かんべ)神社・浅間(あさま)神社・大歳(おおとし)御祖(みおや)神社の三社の総  

   称。神部神社で家康(幼名竹千代)が元服したとも伝えられている。】