#0030 No. 21:  本音と建て前の応対  (2018.01.22) | コトバあれこれ

コトバあれこれ

子ども作文教室、子ども国語教育学会の関係者による
投稿記事ブログです。

           ホントはどどっちなの!?

 

●ある日、おじいさんとおばあさんに来客がありましたが、

その人がもうおいとましよう(帰ろう)としています。

    

            

                       (急ぎますので!)

 

●すると、二人はさかんに引き止めようとしますが、お客は

何度も辞退(断ろうと)します。ところが、コボちゃんは、その

全く逆の応対をしています。

 

                  

                              (さようなら!)

 

●コボちゃんは、「さようなら」と言って、お客さんが早く帰って

くれることを願っているのです。これは、第64話にありますが、

どういう内容か見てみましょう。

 

<第64話の内容>

   *おじいさんとおばあさんは、お客さんが帰ろう

    とすると、さかんに引き止めようとします。

 

  おばあさん:あら! もうお帰りですの?

  コボちゃん:さようなら

  おばあさん:もうちょっと ごゆっくり して

                  いけば よろしいのに

  お客さん:ちょっと 用ができまして

 コボちゃん:また おいでください

 おばあさん:せっかく お茶入れましたのに

 お客さん:イヤ 急ぎますんで…

 コボちゃん:では

 

  *台所には、ケーキセットっと魔法ビンがおいて

    あります。

 

コボちゃんは、お客さんに対して「さようなら」「またおいで

ください」「では」というコトバを連発します。特に、2番目のは

丁寧な表現ですが、実は「早くお帰りください」ということで、

全く逆の意味になります。

 

●これは、建て前はあくまで丁寧な挨拶ですが、本音では

早くこの場を去ってほしいと願っていることになります。世間

ではよく見られ、日本は「本音」と「建て前」の社会とまで称

される所以(ゆえん)です。

 

●実は、コボちゃんは、お客さんの食べなかったケーキが

食べたかったので、コトバの意味する建て前を逆手に取って

挨拶しているわけで、それは4コマ目の「落ち」をみればよく

理解できますね。

 

            

         (お目当てのケーキセット!)

 

M.K 記 (2018.01.22)     

 

次回に続きます。