#0016 No.12 楽器が情操教育に役立つ!?(2017.12.20) | コトバあれこれ

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子ども作文教室、子ども国語教育学会の関係者による
投稿記事ブログです。

   尺八がうまく吹けなくて苦労するコボちゃん!

 

●ママは、知り合いのおばさんの男の子が、まだ五歳で

バイオリンを習い始めたのを知って少し焦ってしまいます。

家に帰ってその話をすると、おじいさんはとてもいい情操

教育だと賛成してくれました。

 

           

         (五歳でバイオリンを始める)

 

ところが、おじいさんの考えていた情操教育は、全く別の

楽器で練習することだったのです。さあ、一体何だったと

思いますか。

 

それでは、その前に、この話は70話にあるので、まずその

内容を見ていきましょう。

 

 <第70話の内容>

 ママ:まあ、五歳でもう バイオリンを?!

 おばさん:エエ

 パパ:なに?!  コボに楽器をならわせる?

 おじいさん:ワシはさんせいだな 楽器をやると

         いうのは じょうそう教育にもいいし

 ママ:そうよねエ  アタシもさんせい

 おばあさん:アタシも さんせい

 おじいさん:そうじゃない! いいか…

  *コボちゃん尺八を一生懸に吹こうとするけれ 

    ど、フースカ フーズカという音が出るだけ

    でした。

  パパ:ボク しらない

 

 

●そうなのです。おじいさんの考えは、邦楽の楽器の一つ

である尺八を習わせることだったのです。これにはママも

おばあさんも、空いた口がふさがりませんでした。

 

             

      (尺八は邦楽器の一つです)     

 

●さて、邦楽器というのは江戸時代から日本にある伝統的

な楽器のことで、琴((そう))、三味線(しゃみせん)、尺八が代表的なものだ

といえます。そして、邦楽器は演奏ばかりでなく、礼儀作法

も厳しく教えられてきました。

 

       

         (習い事の一つである琴)    

 

●ところで、この70話の背景は、日本人の気質を鋭く見抜

いている点があります。それは西洋音楽(クラシック)に対

して日本人が憧れる反面、日本の伝統的な邦額を軽んじる

という風潮に対して、ある種の問題提をしているような気が

します。

 

●パパはそれを最も敏感に感じて、敢えて最初から最後

まで反対の立場をとっています。パパの「よせよせ そんな

必要ない」や「ボク しらない」という表現に、それが端的に

表現されているのではないでしょうか。

 

M.K 記す(2017.12..20)

 

次回に続きます。