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〜文学、お笑い、オートバイを愛する気高く孤独な三十路独身男の魂の軌跡〜 by久留米の爪切り



私の両目が、その切妻屋根の建造物、久留米市藤光1丁目5-3「焼肉ウエスト  上津店」を捉えたのは、午後5時52分で、約束の集合時刻には8分の余裕があった。時間を厳守する男、爪切り。



四人の仲間到着を待つ間、私は上津バイパス沿いに掲げられた看板を眺め、今日支払うべき焼肉代金の概算をし、自身の財布に入っている現金を思い浮かべ、食べ放題の流れ、まずはサラダバーのキャベツを食べよう、フレンチドレッシングがあればいい、酸味で食欲が増進されるだろう、食物繊維を先に摂取することが肝要だ、肉はその後だ、等と脳内で入念なイメージトレーニングを繰り返し行っていた。先を見通す冷徹な目を持つ男、そう、爪切り。



総勢5名は、特に大きなトラブルに見舞われる事も無く、全員無事に集合を果たし、約束通りの時間に焼肉食べ放題をスタートさせる事に成功した。


そんな我々が注文したのは「国産牛ステーキ&上カルビ103種類食べ放題」で、気になるお値段は大人一人3180円(税込3434円)だった。プラス400円でソフトドリンク飲み放題もつけた。



初回盛と称する、牛サイコロステーキ、イベリコ豚ガーリックステーキ、豚バラ、若鶏、サラダバー(用の器)が提供された時点から、2時間制食べ放題がスタートする。オーダーストップまでは90分だ。注文方法はタッチパネルで非常にオートマチックなスタイルだ。画面右上に残り時間が表示されていて、着実にカウントされている。食べ始めから帰ることを強制され、冷酷非情な機械に管理されているようで、余りいい気分はしなかった。




サラダ、フルーツの類いが取り放題である。強い照明が当てられ、成程、どれも美味しそうに見える。食べたら、まあ、どれも尋常な味がした。






上カルビ、ハラミ、ホルモン、シマ腸、色々な肉を誂えた。どの肉も、勿論タレに浸して食べるわけであり、このタレ、本だれ、れもんだれ、みそだれ、と三種類展開しているのだが、三種類とも何だか薄ぼんやりした味で残念だった。どれもチェーン店の肉だな、特別うまくも無く不味くも無く、そこそこ固くて、脂身が多くて、だってチェーン店だもの、しょうがないじゃないか、という感想を抱いた。タレが気に入れば違う感想だっただろう。



ごはん類メニューから、石焼きドライカレーを注文した。冷凍された袋から解凍して提供されたようなジャンクな味わいだが、熱々な焦げ目が付いているのでスーパーで買う冷凍食品よりはマシだった。


野菜類から、玉ネギを一人前注文したら、切れ端が二枚だけ提供されて、どんだけシビアなんですか、本部の指示ですか、マニュアル通りですか、と思わず笑ってしまった。


先輩の一人は、ピンク色のババロアが気に入ったと話した。ミニ牛乳瓶のような入れ物がキュートだ。私は往々にしてピンク色といえばクリークに密集する田螺を思い浮かべてしまいがちなのだが、このババロアはすっきりした甘さでなかなか良かった。


熱い珈琲を二杯飲み、店を後にした。



ウエスト 上津店焼肉 / 荒木駅久留米高校前駅試験場前駅
夜総合点★★★☆☆ 3.3